ブックオフで本が足りない…なぜ在庫不足に陥ったのか?“古本”需要の急増に追いつかず

Business Journal / 2020年10月3日 5時50分

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 大手古本チェーン「ブックオフ」を全国に展開しているブックオフコーポレーションが8月27日、書籍の在庫不足を迎えていることを発表し、本の売却を懇願する「【皆さまへ】ブックオフから本気のお願いです」と題した動画をユーチューブ上で公開した。「『ブックオフなのに本ねぇ~じゃん!』とCMで言っていたら、本当に本が足りなくなりそうです」という悲痛な叫びから始まる、インパクト大の同動画は世間の注目を集めた。

 8月末から9月13日まで買取強化キャンペーンの一環として、文庫本を売却してくれた客に抽選で図書カードなどをプレゼントすると発表したブックオフだが、なぜ在庫不足という事態に直面していたのだろうか。法政大学大学院教授の真壁昭夫氏に話を聞いた。

低価格、立ち読み可能、清潔感――ブックオフの従来の戦略

 初めに、ブックオフはどのようにして、大手チェーン店として展開を遂げるまでに成長したのか解説していただいた。

「第一に、ブックオフは駅前を中心としたアクセスの良い場所に広い面積の店舗を設け、消費者による立ち読みを可能にしました。さらにいわゆる“古本屋”との差別化を図るため、買い取った書籍の臭いを抜くための対策を施し、従来の古本にはない清潔感といった価値を付加したことも、消費者の支持を得ることにつながったと考えられます。

 また、日本経済が長期の低迷に陥った1990年代のバブル崩壊後、先行きへの不安を抱え、節約志向を強めていた人々にとって、ブックオフの登場は革新的だったのです。支出を抑えつつも小説や漫画、中古のCDなどを手に入れたい、という消費者の願望を叶えるのに重要な役割を果たしたといえるでしょう。

 取り扱う本のジャンルの幅広さもブックオフの強みといえます。一つの店舗で、幅広い分野の書籍を読み比べ、より低い価格帯で手に入れることは、ブックオフが登場するまで難しかったのです。従来にはない文庫本などの購入形態を生み出し、最新の書籍や人気の作品を読みたい、という人々の欲求を満たすことに成功したのでしょう」(真壁氏)

 電子書籍などデジタル媒体の普及が進む昨今において、紙媒体での販売を続けているブックオフ。まだデジタル媒体を敬遠している中高年といった紙媒体に馴染みがある層から、強い支持を得ているのだろう。

「やはり価格帯の低さは大きな魅力ですね。ブックオフでは比較的出版年の新しい文庫本であっても、表紙のスレなど状態が相対的に劣るものを100円などの低価格で販売しています。また、ブックオフは買い取った本を消毒してから販売するなど、衛生面でのケアも徹底している印象があるため、今のご時世でも受け入れられたのではないでしょうか」(真壁氏)

高まった需要に嬉しい悲鳴も…在庫不足に陥った本当の理由

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