乾汽船を異常なほど執拗に攻撃する“正体不明の投資ファンド”…狙われる不動産リッチ企業

Business Journal / 2020年10月30日 6時0分

 会社側は即座に反論。アルファレオHD側の「主張・事実認識は、あまりにも多くの誤りを含むものであり、その数が多すぎるため、当社として、本書においてその一つ一つについて個別に訂正することは控えます」としている。

 さらに、臨時株主総会に先立つ4月16日には、6月4日に予定されている定時株主総会に、(1)定款の一部変更(巨額損失や不正会計が発覚した場合には役員報酬を返還するクローバック条項の導入、(2)監査役3名の解任、(3)政策保有株式の売却にかかる定款変更、(4)第三者割当増資の制限に関する定款変更という4つの株主提案を提起していた。

 こうした主要株主の動きに対して、乾汽船の従業員組合らが声を上げた。アルファレオHDについて、「純投資でないことは客観的事実から明らか」とし、乾汽船の取締役会に対して、アルファレオHDが何者であり、乾汽船に何をしようとしているのかを明らかになるような必要な措置を講じるよう求めた。

 その声明文では、アルファレオHDに対して厳しい言葉が並ぶ。

「アルファレオ社の行為は、我々乾汽船またはその関連会社で働く者から見て、違法ではないかもしれませんが、異常だと考えます」

「純投資株主が任期途中の乾康之社長解任等を求めるような行為は尋常ではなく、我々社員の就労や生活に大きな不安をもたらしています」

「極めつけは、今回の臨時株主総会を巡る騒動です。COVID-19に揺れる社会情勢に付け込み、他の株主及び発行体会社を徹底して軽視した臨時株主総会の運営方法を巡る主張や考え方は、正気の沙汰とは思えません」

「これまでの社会常識から逸脱した行為は、少なくともこの1年において、当社および関連会社の事業環境を悪化させ続けています」

 こうした従業員の声を受け、乾汽船はアルファレオHDに対して同社の情報提供の要請や建設的な対話を行うことを求める承認議案を定時株主総会に上程することを取締役会で決議した。

株主提案4つはすべて否決

 これに対してアルファレオHDは6月5日に取締役違法行為差し止めの仮処分を申し立てた。申し立ての理由は「情報提供要請は法令違反に該当するため、(i)当該要請(ii)当該要請を総会議案に追加すること、(iii)情報提供の不十分さを理由に差別的行使条件付きの新株予約権の無償割当を行ってはならない」というものだ。

 簡単にいうと、自分たちを買収防衛策の対象にするなということだ。ところが裁判所は16日、この仮処分命令の申し立てを却下。17日にはアルファレオHDが即時抗告するが18日には棄却。19日の定時株主総会では、情報提供要請に関する議案が承認され、アルファレオHDが提出していた株主提案4つはすべて否決された。

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