ロスチャイルドが世界支配?経済危機の元凶は?陰謀論を真面目に検証してみた

Business Journal / 2016年1月15日 6時0分

--どういうことでしょうか?

野口 そもそも、中央銀行制度の特色のひとつは、銀行間の競争や新規参入を制限し、既存の銀行が一定の利益を確保できるようにすること。一言でいえば、合法的なカルテルです。

--カルテルの成立によって、大銀行は中小銀行や新規参入者との競争に脅かされることなく、融資を大幅に増やすことが可能になったということですね。

野口 銀行間に自由な競争があれば、長い目では健全な経営を行う銀行が生き残る一方、無駄な融資を増やした銀行は倒産し、淘汰されます。しかし、中央銀行制度の下では、貸出金利や預金準備などの競争条件が統制されるため、個々の銀行の経営状態に差がつきにくくなります。

 しかし、それは必ずしも「どの銀行も健全な経営を行う」ということと同義ではありません。むしろ、中央銀行が金利水準を下げすぎたり、預金準備率を過度に低めに設定したりすれば、すべての銀行が一斉に不健全な融資拡大に走ります。

--日本も、1980年代のバブル時代に経験していますね。

野口 それでも、「不健全な経営を行っていると、いつか倒産する」という緊張感があれば、銀行経営者も過剰な融資に歯止めをかけるでしょう。しかし、実際は銀行、特に政治力の強い大銀行が倒産の危機に瀕すると、政府が税金を投入して救済してしまいます。

●政府・中央銀行こそ、経済危機を生み出す元凶

--それが当たり前になると、もはや銀行経営に規律は働かなくなります。いわゆるモラルハザードの状態ですね。

野口 中央銀行の後押しを受けて銀行が過剰に融資を膨らませると、経済にも悪影響を及ぼします。融資の拡大で世の中に出回るお金が増え、それによって企業が投資を増やしたり、個人が消費を活発にしたりすると、一時的な好景気が訪れますが、それは人為的につくり出されたバブル景気なので長続きしません。やがて崩壊し、反動で不況や恐慌を招くことになるのは、歴史が証明しています。

--経済危機は、資本主義の「暴走」が原因という解説をよく耳にします。

野口 資本主義が原因ではありません。政府・中央銀行こそ経済危機を生み出す元凶です。事実、米国における不況は、連銀の設立前より後のほうが頻繁に発生し、その程度も戦前の大恐慌や最近のサブプライム・ショックをはじめ、より深刻になっています。中央銀行の金融政策が景気を安定させるという看板は、偽りだといわざるを得ません。

 ずさんな陰謀論者は、政府が中央銀行から通貨発行権を取り戻せば、不況や貧困など経済問題のすべてが解決すると信じています。しかし、その考えは、中央銀行が私企業に支配されているわけではないこと、政府と中央銀行はすでに一体に等しいことから、間違っています。

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