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中国には、国内で1千万人の雇用を創出する日本企業が不可欠

Business Journal / 2012年10月29日 6時5分

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 日本政府による尖閣諸島国有化に対する中国での反日デモを契機に、日本企業の間では「中国とどう向き合うか?」という、中国リスクに対する対応策に大きな関心が高まっている。

 改革開放路線から20年間、中国は豊富で安価な労働力による人口ボ-ナスの恩恵と、日本や欧米先進国による積極的な外資導入をテコに、高度経済成長を続けてきた。しかし、ここにきて中国は、このまま中進国にとどまるか、それとも先進国入りできるか、重大な岐路に立っている。

 中国では、経済成長の最大の原動力といわれる農村の余剰労働人口が、2013年から減少に転じ、それ以降はこれまでの人口ボ-ナスの恩恵から人口減少が経済不振をもたらす人口オ-ナス(高齢人口が急増する一方、生産年齢人口が減少し、経済成長の重荷となる状態)へと移行する。その結果、労働力不足と労賃の上昇により、経済成長に大きなブレ-キがかかる「ルイスの転換点=成長の壁」(英国の経済学者ア-サ-・ルイスが提唱)に直面する。

●深刻な「過剰」に苦しむ中国

 すでに数年前から中国の人件費の急激な上昇と人民元高で、中国製品の国際競争力は急速に低下している。とりわけ、中国の輸出製品は労賃の安さを武器にした低付加価値製品が多いこともあって、国際競争力は長期低下傾向にある。そのうえ、2008年に起こったリ-マン・ショック後の4兆元規模の景気対策による副作用もあり、鉄鋼や造船など、国営企業や地方企業ともに深刻な設備過剰・人員過剰・在庫過剰の問題に苦しんでいる。

 中国政府は、これまでの安価な余剰労働力と低付加価値製品に依存した産業構造を、生産性向上を実現して高付加価値製品に支えられたハイテク産業に転換しようとしているが、現実はなかなかうまくいっていない。それどころか、不動産バブルなど数百兆円という膨大な不良債権を抱え、中国経済は崩壊するのではないかととの指摘さえある。

 中国がルイスの転換点を乗り越えられるか否かは、そのまま中進国にとどまるか、それとも先進国入りに飛躍できるかどうか、歴史的な転換点に立っていることを意味する。

 欧米先進国や、日本・韓国・シンガポ-ルなどアジアの先進国は、ルイスの転換点を克服して先進国入りを果たした。先進国入りに必要な要件として、その決定的なカギを握るのは、

 (1)経済成長を長期にわたって支える政治的・社会的安定を確保し、
 (2)安価な労働力でなく高い労働生産性により経済成長を実現していく「生産性革命」

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