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ソニー、東芝…トレンド無視し高画質を競うTVメーカーの迷走

Business Journal / 2012年10月30日 5時55分

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 元気のない日本のエレクトロニクス業界。その中でも、価格下落が止まらず、各社のお荷物になっているのがテレビ事業だ。なんとか歯止めをかけようと起爆剤として高機能テレビを投入するが、消費者の冷ややかな視線にさらされている。「機能が多ければ、豊富であれば売れる」という呪縛からいまだに逃れられない日本のメーカーは、一体どこに向かうのだろうかーー?

●家電見本市で人だかりができていたのはトヨタブース!?

 9月に開催された国内最大の家電見本市である「シーテック」。出展企業の1社は「家電見本市とは名ばかりでしたよ」と語る。デジタル家電化のコモディティ化で、かつての花形だったテレビの出展は各社大幅に縮小。事実上自社生産から撤退した日立製作所が、初めてテレビの出展を見合わせたことでもそれは明らかだ。

「家電メーカーの出展は、スマートグリッド(次世代送電網)や自動車との連携技術などが中心。実際、ブースに人だかりができていたのは、パナソニックでもなくソニーでもなくトヨタ自動車」。なんとも皮肉な光景を、電機メーカー各社の関係者は目の当たりにしたわけだ。

 気を吐いたのはソニーと東芝くらいなもの。フルハイビジョン(HD)の4倍の解像度を持つ「4K」に対応した液晶テレビを出展した。ソニーは11月に発売する84型の4K対応液晶テレビを出展。HDと並べて展示することで、画像の鮮明さを強調していた。

 東芝は来春発売予定の84型を3台展示。東芝関係者によると、「『画像がくっきり浮かび上がって実物みたい』と絶賛する人も少なくなかったですよ」と興奮を隠さない。筆者もブースを訪れたが、確かに画像は驚くほどきれいなものだった。

 ただ、あえて言えば「ではこれを買うのか?」と問われれば、それは別問題だろう。来場者からも「百数十万円は出せないよね」との声が漏れていた。ソニーの84型は160万円超。たたき売り状態の液晶テレビの価格を考えると、なかなか手が出しにくい代物だ。

●HDの4倍の解像度を持つ84型4K対応は、アダ花か?

 業界内でも4Kに対する見方は冷ややかだ。米調査会社のIHSアイサプライの調べでは、2012年の市場規模は世界で約4000台。17年に210万台に達するが、液晶テレビ市場全体に占める比率は17年時点で0.8%にすぎないという。同レポートも「富裕層など一部の購入にとどまる」との見方を示しており、本格普及への道のりは遠いのが実情だろう。

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