1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

橋下・朝日騒動、筆者佐野眞一を暴走させた“良心”とカラクリ

Business Journal / 2012年11月22日 7時5分

写真

 衆議院が解散され、橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」に、石原慎太郎前東京都知事が急造で立ち上げた「太陽の党」が合流して、「第3極」を呼号する新党ができた。世間の注目は、この新党が果たして政界にどれくらいの勢力を築くことができるかに移った。

 一時は暴言もあるがメリハリある発言で期待を集めた橋下氏だが、学校教育問題や職員のイレズミ問題など、保守的で強引な施策や発言が重なるにつけ人気離散。その焦りが、原発政策をはじめとする諸政策で少なからず乖離する石原氏と合流させたとの見方が広がっており、野合批判もあって、このままでは第3極は名前だけのものに終わるとの見方も浮上してきている。

 その、あえて言えば“落ち目”の橋下氏を一時的にしろ同情の対象にしてしまったのが、「週刊朝日」(10月26日号)の『ハシシタ 奴の本性』とタイトル付けられた、ノンフィクション作家・佐野眞一氏の手になる緊急連載記事の第一回だった。

 いささか十日の菊になるが、記事を少しトレースしてみると、「日本維新の会」旗揚げパーティの描写から入り、壇上に立った橋下氏の挨拶振りを「テキヤの口上」と揶揄し、そのうえで女性占い師細木数子氏を引き合いに出し「田舎じみた登場の仕方といい、聴衆の関心を引きつける香具師まがいの身振りといい、橋下と細木の雰囲気はよく似ている」と書く。もちろん細木氏を引き合いに出すのはネガティブな意味合い以外何物でもない。他にも「この男は裏に回るとどういうことでもやるに違いない」「橋下の言動を動かしているのは、その場の人気取りだけが目的の動物的衝動である」云々と各所で酷評する。

 橋下氏嫌いには溜飲の下がる記事だったかもしれないが、読んだ人の多くがそう感じたに違いないと思われたのは、いささか橋下氏攻撃の意図があからさまに出すぎていて、そのあとに続く記事も含めて、客観性に欠けるのではないかということだった。週刊誌という媒体特性があるにしてもだ。記事構成もいささか単調にすぎる。冗長と感じるほど複線的重層的な書き方が佐野氏の特徴だから、ちょっと違うなという感じもした。

●佐野氏らしくない書き方

 雑誌編集者時代、筆者は何度か佐野氏と仕事をしたことがある。例えば、佐野氏の代表作の1つである『遠い山びこー無着成恭と教え子たちの四十年』(新潮社)の巻末にはこの本の端緒を作った人間として名が載っているのだが、今回の朝日の記事のようなバランスの欠けた性急な書き方も、佐野氏らしくないと率直に思ったものだ。今回も「60人近い人々に取材した」と報じられているが、馬に食わせるほど材料を集め、取材し、そこから書くべきことをじっくり拾い上げていくのが佐野氏流だからである。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング