政権交代で得/損する業界は?ソフトバンク、JAL、東芝…

Business Journal / 2012年12月16日 21時0分

 自民党は「多極分散型の国土形成」や「特性を生かした地域振興」「大規模災害の未然防止」などを柱とする「国土強靭化計画」を掲げている。堤防整備やビル、住宅、橋などの耐震性強化を進めるのだろう。それにしても、10年間で200兆円の公共事業はかなり巨額だ。単純計算で年20兆円の公共投資がなされることになり、それが実現すれば、土建国家と言われた時代に逆戻りする可能性もある。自民党が政権復帰して最も喜ぶのは公共投資関連、つまりゼネコン関連ではないだろうか。

 具体的に該当するのは、土木・建設、橋梁、セメント、建設機械、鉄骨など。

 <耐震・補強工事>
  鹿島、大成建設、奥村組、前田建設工業、東鉄工業、矢作建設工業

 <地盤改良工事>
  ライト工業、東亜建設工業、三信建設工業

 <免震部ゴム>
  ブリヂストン、住友ゴム工業、東洋ゴム工業

 <セメント>
  太平洋セメント、住友大阪セメント、宇部興産、デイ・シイ

 <建設機械>
  日立建機、コマツ、住友重機械工業

 <鉄骨・耐震材>
  新日鉄、JFEホールディングス

 <橋梁>
  横河ブリッジホールディングス、日本橋梁

 <火災報知機>
  能美防災、ホーチキ

 これらの企業は、自民党の公共事業によって大きく儲かるかもしれない。

●不動産株にも注目

 安倍総裁の金融緩和発言で関心が高まったのは、不動産株だ。

 投資家から集めたお金でオフィスなどを取得し、賃料収入や売却益を分配する「不動産投資信託(JーREIT)」の相場が先月末、上昇し続けた。東証に上場する全銘柄の値動きを示す「東証REIT指数」の終値は、先月22日に1年6カ月ぶりの高値をつけた。三井不動産 、三菱地所、住友不動産など大手不動産株は、軒並み11月上旬に東証で大きく値を下げていたが、一気に回復して、今もその水準を維持している。

 外交・防衛から見ると、タカ派とされる安倍氏の再登板により、防衛関連企業に関心が集まっている。石川製作所、豊和工業、東京計器、日油、日本アビオニクス、日本製鋼所など、国内にも結構たくさんある。自民党は公約に「集団的自衛権の行使」と「憲法改正によって自衛隊を『国防軍』と位置づける」ことなどを盛り込んだ。また、「尖閣諸島の実効支配の強化」も盛り込んでいる。

●輸出関連企業には追い風

 TPPに関しては、自民党に限らず、交渉参加ということになれば、輸出産業には追い風だ。具体的には、家電・エレクトロニクスや自動車などのメーカーである。一方、大きな打撃を受ける業界の代表として農業が取り上げられるが、損失の規模では、さまざまな規制で守られている医療や金融、マスコミなどの方が深刻かもしれない。

 このほか、安倍総裁の選挙区がある山口県に目を向ければ、宇部興産や山口フィナンシャルグループなど大手にとっては、自民党の政権復帰で何かとビジネス環境が良くなる可能性もある。

 さて、自民と公明で過半数を制した場合のシナリオを考えてみたが、過半数に足りず政権の枠組みが変わった場合、自民党も軌道修正を迫られる。例えば、日本維新の会の橋下徹代表代行は「公共工事をどんどんやるのはノーだ」と主張しており、自公が政権内に維新を引き入れれば、自民のバラマキに待ったをかけるかもしれない。
(文=横山渉)

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