代官山ツタヤに見る、“リッチな”シニア市場攻略のカギ

Business Journal / 2012年12月16日 6時55分

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 わが国最大の人口ボリューム層である1947~49年生まれの団塊世代約800万人が、今年から65歳を迎えて本格的な余暇生活に入り、年金の満額受給が始まった。ちなみに彼らは、額面通り年金を受け取れる“最後のハッピー世代”とも言われる。

 一方、世界で突出する日本の個人金融資産1500兆円の約6割、900兆円が60歳以上の富裕層によるものだ。この巨大金融資産が動き出して内需に向かえば、現在のデフレ不況など一発で解消するだろう。

 ともあれ、こうした時間も金もたんまりとある、最後の豊穣市場とも言えるシニアマーケットを攻略せよとばかりに、大手流通各社は、新商品や新業態、新サービスの開発に躍起になっている。しかし寡聞にして筆者は、そうしたシニアマーケットを大きく花開かせたような国内成功事例を知らない。

●成熟したシニア市場を持つ米国

 一方、米国では、すぐれたシニア業態が百花繚乱のように咲き乱れている。たとえば熟年向けの人気のカジュアル「トミーバハマ」(来春、東京・銀座に日本初進出予定)や「コールドウォータークリーク」、婦人服の「Jジル」や「チコズ」、下着の「ソーマ」などで、これらショップが、オーガニックスーパーの「ホールフーズ」などとともに、米国の高級住宅街エリア等に立地する「ライフスタイルセンター」と呼ばれる商業施設(ショッピングセンター)の定番テナントになっている。

 そうした彼我の違いの背景にあるのが、文化の差異だ。少なくとも米国には、いわゆるハッピーリタイアメント族をリスペクトする文化がある。たとえばサクセスシニアが居住する街区は、米国ファミリー層垂涎の住宅地でもあり、その近くにあるライフスタイルセンターで日常の買い物や消費をすることが、彼らのステイタスなのだ。

 翻って日本には、そんな文化やインフラがそもそも存在しない。それもあり、単にシニアの業態や商品を開発するだけでは、一発ヒットはあり得ても、持続性や市場拡大性に乏しい。加えて団塊シニアは、こだわり屋で気難しい消費層が多いといわれ、余計一筋縄では行かない。

●「シニア文化がカッコいい」という情報発信

 ではどうすれば、日本で効果的なシニアマーケットの攻略ができるのだろうか?

 そのカギを握るのは、「シニア文化がカッコいい」という情報発信にあると思う。前述したように、米国のサクセスシニアと彼らが使うライフスタイルセンターは、若いファミリーはもとより、ヤング層からも憧れの的だ。

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