安倍政権、金融緩和による円安・株高政策が見落とすワナ

Business Journal / 2013年1月6日 6時55分

 一方、兵庫県では、パナソニックのプラズマや液晶工場に補助金を出したが、すぐに稼働を停止したことなどにより、補助金を雇用や新たな税収で「回収」することができなかった。大企業の誘致という従来の政策は行き詰っていることの象徴的な事例だ。

 第一次安倍政権は、小泉純一郎氏から政権を受け継ぎ、渡辺喜美氏(現みんなの党代表)を閣僚に起用するなどして、構造改革路線を受け継いだ。今回の第二次安倍政権は、挙党一致とはいえ、「小泉改革」を支えた人たちもブレーンについている。構造改革をしないで金融緩和策だけで景気がよくなるとは思っていないはずだ。企業の自助努力を促さない金融緩和策は「護送船団方式」で国が業界を守るにも等しい愚行だ。

 構造改革なしでは円安の効果は薄いし、場合によっては「劇薬」になる可能性すらある。繰り返すが、自助努力する企業や人たちを支援し、そこから新たな税収や雇用を生み出す政策こそが真の景気回復のために必要なのである。
(文=井上久男/ジャーナリスト)

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