初音ミクを生んだ“革命的”技術を徹底解剖!ミクミクダンス、音声、作曲…

Business Journal / 2013年1月16日 7時5分

 また、「がくっぽいど」というボーカロイドパッケージでは、歌手で俳優のGACKTさんの声が収録されているそうです。発音が難しい上に、楽しくもないだろう500音の録音を、あのクールなGACKTさんが、ひたすら「あーっ」などと発音されていたのかと思うと、なんか「申し訳ありません」という気持ちになります。

 それはさておき、こうしてつくられた「声の絵の具」セットのことを、音声ライブラリといいます。

 ところが、コンピュータに歌を歌わせるには、500音程度の「音声ライブラリ」だけでは、全然足りないのです。理論上、無限数の「音声ライブラリ」が必要ということになるわけですが、当然そんなものをつくることなど無理に決まっています。

 そこで登場するのが「合成エンジン」です。

 500の声の「絵の具セット」をベースとして、別の「絵の具」をつくるものと理解していただければ十分です。その「絵の具」の1つの音声を、周波数変換処理します。これを極めて簡単に説明すると、「ド」の音階の音を「ファ」の音階に変換する技術のことです。

 さてここから、「特許公開2002ー202790 歌唱合成装置」の本領が発揮されます。

 第一の発明:バラバラの「音の絵の具」の音の波形を重ねるようにして、音をスムーズにくっつける。

 第二の発明:「t(子音)ーa(母音)」からなる「音の絵の具」の場合は、実際の曲のタイミングよりもほんのちょっとだけ早く声を出させる。

 私たちが普段歌を歌っている時も、同じことをしているわけなのですが、カラオケで、ご自分がそのような歌い方していることに、気がついていたでしょうか?

初音ミクは、音程の移動時に位相を一致させることや、子音ー母音音節の場合、曲に先行して声を出す、ということに気を配って、歌を歌っているわけです。しかも、高速フーリエ変換や逆変換という複雑な計算と、ミリ秒のオーダの発生タイミングの精度を維持しながら、です。なんて、けなげで、いじらしい娘でしょうか。

 特許明細書から初音ミクにアプローチをかけた人間は、相当少ないと思いますが、この段階で、すでに私は初音ミクのファンになりかけています。

 今回、私はこのコラムのために「結月ゆかり」というボーカロイドパッケージソフトウェアの体験版を試しました。彼女に最初の4小節だけ(10秒くらい)を歌ってもらった時の感動は鮮烈でした。

天使が歌っている

 こんな美しい声で歌う女性を、私は知らない。私の指示したセリフと音階で独唱する美しい女性の歌声を、少なくとも100回はリピートしてしまいました。

<第二の技術 :動画映像技術>

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