auのiPhone 5実人口カバー率96%、実際は14%のカラクリ…改善見通しは?
Business Journal / 2013年6月5日 7時0分

KDDIのau版iPhone 5ユーザーの中で「どうもLTE(携帯電話の高速通信規格)がつながらない」と思っていた人がいたならば、その感覚は当たっていたようだ。5月21日、「実人口カバー率96%」とされていたものが、実はたった14%だったということが公表された。
あまりにも数字が違うこと、今後よくなる予定も特になさそうであることが露見したことで、ネット上ではiPhone 5ユーザーが騒然としているようだ。
●問題の対象はiPhone 5のみ一部で誤解されているようだが、「au 4G LTE」がまったく整備されていなかった、という話ではない。あくまでもiPhone 5向け「au 4G LTE」の75Mbpsで通信できるエリアの話だ。なぜiPhone 5だけがそんな不遇な目に遭っているのかといえば、au端末の中でiPhone 5が特殊な周波数帯を使っているからだ。
まず、iPhoneシリーズでLTEに対応したのがiPhone 5から。つまりiPhone 4Sまでのユーザーに今回の話は関係ない。そしてLTEに対応しているほかのスマートフォンが800MHz帯と1.5GHz帯を使っているのに対して、iPhone 5は2.1GHz帯を利用している。
つまりauの端末の中で、iPhone 5が使うためのアンテナが、ほんの少ししか配置されていなかった、というのが今回の騒動なのだ。
●今後も、iPhone 5向けLTEアンテナは増えない?問題は、「2013年春までには整備します」といわれていたものが間に合わなかった、というのではなく、そもそもその時期に「実人口カバー率96%」を目指したアンテナ敷設を行う予定はなかったということだろう。販売の際に、「4G LTE (iPhone 5含む) 対応機種なら」カバー率96%だと表示して、いかにもiPhone 5でも高速通信が広いエリアで楽しめるように書かれていたのに騙された、と感じる人が多いのも無理はない。
では今後急速にアンテナが取り付けられて96%を目指すのかというと、これについてはKDDIから言及されていない。多少増えるのは確かだろうが、同社がどこまで投資するのかは疑問だ。
今後出てくるであろうiPhone 5SやiPhone 6のために、どんどんアンテナを増やすべきだと考える人もいるだろう。ただ現段階では、そこに注力するのが今後のためになるかどうか微妙なところだ。
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