神戸大型再開発は、なぜ失敗したのか?“人の流れ”を無視したハコモノ行政の代償

Business Journal / 2013年7月26日 6時0分

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 人の流れを無視した再開発に成功はあり得ない。大阪、京都、兵庫の近畿3都で行われた再開発がことごとく失敗に終わっているのは、この「人の流れ」、すなわち交通アクセスを無視した結果といえよう。兵庫県神戸市では、ポートアイランド、六甲アイランド、この2つの人工島の凋落ぶりはひどい。その実情に迫ってみた。

●繁華街・オフィス街との交通距離は遠い

 今から30年程前、「株式会社・神戸市」と呼ばれた頃のシンボルが、ポートアイランドだ。そう言われても、にわかには信じ難い。なぜならば、人通りがあまりにもないからだ。

 神戸市の繁華街・三宮から、神戸新交通ポートアイランド線に乗ること10分程度で、住宅街であるポートアイランドの「みなとじま駅」に着く。確かに、繁華街でありオフィス街でもある三宮まで近い。三宮への通勤ならば問題ない。だが、大阪への通勤となると、必ずしもアクセスは容易ではない。

 ポートアイランドから大阪に出るには、JR・阪急・阪神各社の三宮駅で乗り換えをしなければならない。この乗り換えも、もともとポートアイランド線の乗り入れを踏まえて計画された駅のつくりではないためか、実に手間がかかる。そして三宮駅から大阪(阪急、阪神各社では梅田)に出て、人によっては、ここからさらに地下鉄などに乗り換えて、それぞれの勤務地へと向かう。

 つまり、ポートアイランドに住む人のうち大阪に通勤する人は、ポートアイランド線、JR線(もしくは阪急、阪神各線)、そしてさらに地下鉄へと3つの路線を乗り継ぐことになる。ポートアイランドから大阪まで、時間にして早くて40分。移動の諸々を換算すると50分程度となる。これでは電車1本で大阪まで直通で行けるJR須磨、垂水といった場所と、交通時間という点ではほとんど変わらない。

●空室率高い賃貸オフィス

 六甲アイランドでは、状況はさらに深刻だ。六甲アイランドから六甲アイランド線に乗り、行き着くのはJR住吉駅である。このJR住吉駅には、大阪へ向かう上り線、三宮や元町に向かう下り線に、快速は止まっても、新快速は止まらない。

 「ポートアイランドのほうは、JR三宮駅まで出れば新快速が止まるので、大阪へのアクセスはまだいい。しかし、六甲アイランドは、乗換駅のJR住吉駅に新快速は止まらない。地図上では、大阪や三宮までの距離は近くとも、交通距離は意外に遠い。新しい街並みにもかかわらず過疎化が著しいのも、この交通アクセスの悪さに尽きる」(地域住民)

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