ワタミ、庄や…過労死ラインを超える長時間残業、なぜ“合法的に”横行するのか?

Business Journal / 2013年7月26日 7時0分

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 世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。

 とあるジャーナリストの、次の一言が印象に残っている。

「日本の社会は、どこで線を引くかという議論は好きだけど、実際に線を引く人(決断する人)はいない」

 まさにその通りであり、昨今盛況を呈しているブラック企業の議論にも当てはまるポイントだ。例えば4月上旬、「日経ビジネスオンライン」(日経BP社)上で立て続けにユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長、ワタミの桑原豊社長が登場し、自社がブラックだと言われていることへの反論を述べていた。それに対し、労働問題の論者からも賛否両論の意見が噴出していた。

 その論調はおおむね、次のように分けられる。

<賛成派>

 厳しい労働環境であろうが、合意の上で入社した分には問題ない。それくらい高いハードルを要求して仕事をさせているからこそ、成果も挙げられるのだ。

<反対派>

 そもそもそんなに働かせてる時点で労働基準法に違反している。成果を挙げていようが、社員が納得ずくであろうが、まずは適法に経営するところから始めるべきだ。

 こうした議論は、「どこで線を引くか」という観点で考えてしまうと結論に至らないだろう。では、筆者なりに線を引いて論じてみたい。

 まず「合法か否か」という点について。

 ご存じの通り、日本の労働基準法において労働時間は「1日8時間、週40時間」と決められている。本来、従業員にそれ以上働かせることはできないはずなのだが、今や「残業がない会社のほうが珍しい」くらいであろう。

●長時間残業が合法的に認められるカラクリ

 多くの人が疑問に思うのは、実質的に違法な状態がなぜ見逃されているのか、という点ではなかろうか。もちろん、それにはウラがある。「特別な労使協定」を結べば、この上限時間を超えて働くことが認められているからだ。その規定が労働基準法36条にあるため、「三六協定(さぶろくきょうてい)」と呼ばれている。この協定が結ばれれば、そこに定められた限度が労働時間の新たな上限となる。

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