高速バスツアー廃止で、戦略見直す長距離バス業界の苦悩〜値上げ検討、業界縮小懸念も

Business Journal / 2013年7月31日 7時0分

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 東京-名古屋2000円~、東京-大阪3000円~、東京-仙台2000円~。インターネットで長距離高速バスを検索すると、こうした情報がたくさん出てくる。これら格安高速バスは、8月1日から急激に減るかもしれない。

 乗客を乗せて高速道路を走るバスは大きく分けて2種類、路線バスとツアーバスがある。格安の高速バスはほとんどが後者で、いわゆる観光バスなどの貸し切りバスと同じ種類だ。旅行代理店が企画して集客し、その実際の運行を貸し切りバス会社に委託する形になっている。8月1日以降は路線バスに1本化され、従来のツアーバスの形態では営業できなくなる。路線バスは主に大手バス会社が国の認可を受け、停留所を設けて、決まった路線を定期運行する形だ。

 ツアーバスが廃止となったきっかけは、昨年4月、群馬県の関越自動車道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故である。運転手が過労から居眠り運転していたのが原因だった。

●路線バスとして継続する事業者は4割程度

 都市間ツアーバスの利用者は、2005年には約21万人だったが、国の規制緩和により新規参入事業者が増え、10年には約600万人が利用している。その半面、過当競争となり、「立場の強い旅行会社がバス会社にコスト削減を強要し、安全対策がおろそかになっている」との指摘が、バス業界から上がっていた。また、関越道の事故で、運行の責任主体などが不明確な点や安全上の問題が浮き彫りになった。国土交通省が昨年、高速ツアーバスの運行会社を調べたところ、全体の64%の会社が、運転手に必要な休憩を取らせていなかったり、長時間運転をさせたりしていたということが判明した。

 高速ツアーバスが廃止となり、新たに路線バス事業の認可を得るには、停留所を設けるほか、バス6台以上を保有する必要がある。国交省によると、高速ツアーバス業者は昨年9月時点で、旅行会社などの企画側が58社、請負側の貸し切りバス事業者が228社の計286社あったが、新たに路線バス事業を申請したのは、7月23日時点でその約4割の111社にとどまっている。その理由として、新制度で義務付けられた停留所設置などのほか、運転手の増員などの負担増があるだろう。

 運行を継続する事業者も戦略の見直しを迫られている。新聞社の取材に対し、エムケイ観光バス(京都市)は「8月以降は値上げせざるを得ない」と説明している。最大手のウィラーアライアンス(東京都)はこれまでの子会社3社体制から、全国の運行エリアごとに新たなバス会社を7社設立して10社12営業所体制に変えた。

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