ルネサス、“異様な”株主総会から透ける迷走…借金とリストラ繰り返し、再建策示せず

Business Journal / 2013年8月2日 6時0分

写真

 それは異様な株主総会だった。

 総会の前日までに完了する予定だった増資金が払い込まれず、主要議題になるはずだった経営再建策の説明もなく、通常の前期事業報告、対処すべき経営課題、株主からの予定調和的な質疑応答、取締役・監査役の選任承認などのスケジュールをシャンシャンとこなし、総会は1時間あまりで閉会した。

 鶴丸哲哉社長兼CEO(最高経営責任者)が、経営戦略を語る場面もなかった。

 それが6月26日、川崎市内で開催されたルネサスエレクトロニクス(ルネサス)の定時株主総会だった。

 同社は2013年3月期連結決算で1676億円の巨額赤字を計上、前身企業から数えると8期連続の赤字に沈んでいる。そのようななかでの株主総会だった。「経営陣が自らの責任による経営再建策を何も示さず、それを産業革新機構(革新機構)に丸投げしている。これが上場会社の株主総会とは到底思えなかった」と、憤まんやるかたのない「お付き合い株主」のひとりは、当日の異様な模様をネットでつぶやいている。

 経営漂流を続けているルネサスの行方を探る前に、この総会で鶴丸社長が成果を強調したという「構造改革の着実な進展」について、過去1年間の主な流れをざっくり見ておこう。

●リストラと借金を繰り返した1年

<12年5月9日、東京都内で12年3月期連結決算を発表>

 営業損益が568億円の赤字、最終損益が626億円の赤字だったと発表。また「経営再建に向けた事業計画を策定中」として、13年3月期の業績見通しを開示しなかった。12年1月末に発表した同年3月期決算予想の下方修正により、株式市場では運転資金不足が取り沙汰されていたが、この日の決算発表では「運転資金は十分にある」(同社)と市場の噂を否定した。だが、間もなくその言葉は嘘であることが判明した。

<12年7月3日、東京都内で事業計画を発表>

 国内生産18拠点の再編と5千数百人規模の早期退職者募集を骨子とする事業計画を発表。
この席上、赤尾泰社長(当時)が発した「痛みや犠牲があってもルネサスを残す」の迷言が株式市場で話題を呼んだ。

<12年9月28日、970億円の資金調達を発表>

 前出の事業計画に必要として、970億円の資金調達を発表。このため、大株主のNEC、日立製作所、三菱電機の3社と計495億円の融資契約を、主力取引銀行の三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行の4行から計475億円の長期借入契約を、それぞれ結んだ。これにより、市場で噂されていた運転資金不足の事実が白日の下にさらされた。

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング