“優秀な”『半沢直樹』は銀行を辞めるべきか?経営者とサラリーマンの意外な感想

Business Journal / 2013年8月4日 14時0分

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 現在のソーシャル × モバイル化へと続くWeb2.0時代の到来をいち早く提言、IT業界のみならず、多くのビジネスパーソンの支持を集めているシリアルアントレプレナー・小川浩氏。『ソーシャルメディアマーケティング』『ネットベンチャーで生きていく君へ』などの著書もある“ヴィジョナリー”小川氏が、IT、ベンチャー、そしてビジネスの“Real”をお届けする。

 TBS系列のドラマ 日曜劇場『半沢直樹』が好調らしい。かくいう僕も毎週楽しみに観ている。

 このドラマは、非常に短い時間軸の中でストーリーが進行する。簡単にまとめると、自分の出世のために、ろくに調査もしないままに5億円もの融資をゴリ押しで行った結果、貸し倒れの憂き目に遭った巨大銀行の支店長が、部下の融資課長である半沢直樹に責任を押し付ける。普通の銀行員なら泣き寝入りし、関連会社に出向させられる(嫌なら辞めるしかない)ところを、半沢直樹は敢然と立ち向かい、焦げ付いた5億円を回収することで失地回復を狙うのである。

 起業家の立場からすると、いかに巨大銀行とはいえ、上司の尻拭いでそこまで嫌な目に遭うのであれば、さっさと辞めてしまえばいいと思うし、設定上、非常に優秀な人であるから、起業するなり転職するなりすればよいのでは? と思わないでもない。

 しかし、逆の見方をすれば、起業家としては銀行からそうやって有為の人材がどんどん流出してしまって、立身出世のための足の引っ張り合いをするような凡庸な人物ばかりが日本の銀行のトップを占めるような事態になってしまっては、実に困る。銀行や証券、そしてもちろんベンチャーキャピタルのような金融の世界において、内部の政争にばかり長けた“頭の良い”人たちが増えすぎることは、実社会ではよく見られることだと思うからなおさらだ。

 劇中、主人公の半沢直樹は、無慈悲な銀行に融資を引き揚げられたために倒産した、中小企業の社長を父に持つという設定だ。父親は自殺し、その後残された母子は経済的な苦労を強いられてきたため、敢えてその当事者である銀行に就職することで、ある種の復讐を心に期している。

 だから半沢直樹は、モノづくりに賭ける中小企業たちに対して人一倍支援しようとするし、彼らが作る製品の出来映えや磨き上げられた技術の意味も理解できる。バンカーとして、財務諸表には書かれていない重要な情報をきちんと汲み取ることができる、恐らく実際にはなかなかいない人材なのである。

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