家計を蝕む円安ダメージ〜アベノミクスで雇用改善のウソ、進む物価上昇・税や保険料増

Business Journal / 2013年8月14日 17時0分

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 モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がける投資銀行家であり、「AERA」(朝日新聞出版)、「週刊SPA!」(扶桑社)で“過激な”コラムを連載しているぐっちーさん。あまりの過激さゆえテレ東を“出禁”になってしまったぐっちーさんが、ビジネスパーソンが押さえておくべき“建前なし”の常識をお届けします。 


 みなさまは、本当にアベノミクスで恩恵を受けていますか?

 いつも書いていますが、一般メディア(新聞、テレビ)などはスポンサーからさまざまな圧力を受けるために、彼らの都合の悪いことはほとんど書けません。ですから、そういう報道を信じていると、現実とはまったく違うことを信じさせられることになります。

 例えば円安。

 円安によって輸出が増えて景気が良くなることはなく、むしろ輸入物価の上昇により我々の生活は苦しくなるとずっと主張してきました。日本の輸出依存度はわずか11%しかなく、それが40%を超えている韓国とはまったく違う経済構造にあることは明白でしょう。

 しかも日本の輸出で円安の恩恵を受けるドル建ての決済は、全体の輸出の約50%程度なのですから、恩恵を受ける企業は11%のさらにその半分程度となります。トヨタ、ホンダなどの輸出企業の業績が円安差益によって上昇するのは当たり前です。

 しかし、圧倒的に輸入品の使用比率が大きい我々一般国民は、輸入物価の上昇にさらされ、事実ガソリンを筆頭に値上げの嵐であります。

 当然国内に軸足を置く内需企業にとっても悩みは同じで、4-6月の第1四半期決算を見るととてもアベノミクス効果どころではなく、アベノミクス逆噴射とでもいいたいような数値が並んでいます。

 日本航空は燃料費の高騰で前年同月比純利益は32%減、優良企業の味の素も輸入冷凍食品の採算が悪化、経常利益は21%減、輸出型に見える三菱重工業にして26%減、HOYAは47%減などなど、枚挙に暇がない。むしろ円高期だった2006年から11年にかけて史上最高益をたたき出した企業が多かった事実と考え合わせると、円安のダメージは相当に大きいと考えねばなりません。

 東証一部だけで見ても35.9%とほぼ3社に1社が減益決算となっている。中小企業に至っては良かったといわれている前回の日銀短観においてさえ、景況判断はマイナスでした。推して知るべしであります。

 株価は上がっている、といわれていますが、一方的にコストを削減し、人件費を削ればその企業の利益率は上がりますから、単純に株価も上がる話になる。つまり失業率が上昇しつつ、株価は上がる、ということが起こりうるわけです。株価が景気の先行指標などという話は、リストラなどが存在しなかった1980年代の話であって、そんな時代はとっくに終わっています。

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