クールジャパン、新たな税金バラまきの懸念〜省庁ごとに類似事業乱立、税金使途不明瞭化

Business Journal / 2013年9月5日 7時0分

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 6月12日に通称クールジャパン法(株式会社海外需要開拓支援機構法)が可決成立した。

 海外進出を考えている事業体に対し出資の面から支援する株式会社、いわゆる官民ファンドを設立するというものだ。2013年度で500億円の税金を投入し、民間企業からも出資を募る。経産省職員はこう説明する。

「海外展開を支援する政策としてクールジャパン戦略推進事業がありますが、それは補助事業です。機構は補助ではなく、企業への出資を行います。そうすることにより、本格的に海外に出ようとする企業の後押しをしますし、機構からのお金が呼び水となり、民間企業や金融機関の資金がついてくる循環も生まれると思います。投資案件に対する判断は機構の専門家が行い、政府は関与しません。投資である以上、リターンは必要となりますが」

 機構の設立は今年の秋だ。政府が総株式の2分の1以上を保有し、収益性・波及効果の観点から選ばれたビジネスに対して出資を行うとしている。海外での商業施設の展開など事業期間が中長期にわたる事業でも、ビジネスモデルが立ち上がるまで持続的に支援するため、存続期間はおおむね20年だ。

 一方、クールジャパン戦略推進事業の助成金の上限は1事業につき5000万円。今年度の予算は4.6億円で13件が採択された。採択は有識者が順位を決め、政府が足切りをするのだという。また、助成金は事業の半分までと決まっている。言い換えれば半分は企業が負担しなければならないため、企業側も「本気度が違う」という。

 順位づけを政府が決めないのは、成長産業や事業を判断する目利き能力が政府にはないからだという。そのために、政府は資金を出しつつも口出ししない民間の株式会社として機構を設立したのだ。

●官民ファンドの盲点

 ところで、官民ファンドとしてクールジャパン事業に出資する民間企業は、この機構が初めてではない。09年に2660億円の政府出資と140億円の民間出資によって設立された株式会社産業革新機構がある。この機構は市場開拓型の革新事業に出資するという目的で、これまで42の案件に投資している。クールジャパン事業では、昨年に民間企業であるANEW(2月事業開始。産業革新機構の100%出資による新会社)、出版デジタル機構(4月設立。産業革新機構が150億円を上限に出資)、グロザス(5月設立。産業革新機構が12億円を上限に出資)の3社に出資している。

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