年金制度の不備を悪用する巨大新聞社 仕事のない定年後の社員も破格の待遇!?

Business Journal / 2013年9月13日 6時0分

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 【前回までのあらすじ】
 業界最大手の大都新聞社の深井宣光は、特別背任事件をスクープ、報道協会賞を受賞したが、堕落しきった経営陣から“追い出し部屋”ならぬ“座敷牢”に左遷され、飼い殺し状態のまま定年を迎えた。今は嘱託として、日本報道協会傘下の日本ジャーナリズム研究所(ジャナ研)で平凡な日常を送っていた。そこへ匿名の封書が届いた。ジャーナリズムの危機的な現状に対し、ジャーナリストとしての再起を促す手紙だった。そして同じ封書が、もう一人の首席研究員、吉須晃人にも届いていた。旅行に出ていた吉須と4ケ月ぶりに再会し、吉須から例の封筒について話を聞こうと画策する深井だったが……

 深井宣光は“差出人不明の手紙”のことだろうと直感して身構えた。
 「実はね。丹野(顕雄)と別れて、ジャナ研の資料室に行ったろ。そこで君と会って、今ここにいるわけだけど、資料室でちょっと君を待たせたよな。それはね、先週3カ月半ぶりに来て片づけたのに、封書がまた1通あったからなんだ」

 深井の直感が当たった。黙って吉須晃人が続けるのを待った。
 「君も含め、俺たちのような連中には誰も用がないから、郵便もあまり来ない。そんなわけで『どうしてまたくるんだ?』と不審に思って封を切って読んだんだよ」

 吉須は胸ポケットから封書を取り出し、テーブルに置いた。
 「何が書いてあったんですか?」
 「うむ。封筒は報道協会の社用封筒だけど、封筒に差出人がないだけじゃなく、手紙も匿名のまま。誰が出したのか、全く分からないが、大手3社の記者か記者OBに違いない。
手紙は3枚、それに付属資料が1枚付いていた。持って行っていいから、後で読んでみろよ。読めばわかるけど、一言でいえば『新聞社が衰退するのは仕方ないにしても、ジャーナリズムを死なせないために、もうひと働きしてくれ』と、俺に頼む手紙だな」

 「実はですね、僕のところにも同じような手紙が届いていたんです」
 「いつ?」
 「4日前の火曜日です。午前11時頃に出勤したら、机の上にあったんです。やはり、手紙が3枚、付属資料が1枚。同じですね」
 「そうか。君にも来ていたのか。何が狙いなのかな」

 「僕のことをよく調べていて、今の“破格の待遇”まで正確に書いてありました。『そんなにもらっているなら、行動しろ』と言わんばかりにね」
 「そうそう。俺宛の手紙も同じだ。日亜での経歴、なぜ今ジャナ研にいるのか、それで何をしているか、もちろん、定年後の待遇もね。アルバイトで年俸が600万円もあるのに、60歳から厚生年金も約100万円もらっていることまでさ」
 「それ、本当ですか。日亜新聞って、そんなに捨て扶持(すてぶち)を出すんですか」
 「君、何を言う。大都だって同じだぞ。新聞社なんて、その本来の役割を放棄して全員でうまい汁を吸っているんだ。でも、君はアルバイトじゃないのか。だから、毎日来ているのか。てっきり俺と同じアルバイトだと思っていた」

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