なぜシャープは批判“報道”されるのか?いま社内で静かに進む、組織改革の実像と行方

Business Journal / 2013年9月16日 7時0分

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「またシャープの記事か」--本稿のタイトルを見て、こう直観された読者も多いのではないだろうか。そう思われても仕方ない。そのほとんどが同じような内容(論調)であるからだ。シャープに立ち込める暗雲について書かれていて、晴れ間が見えてきた、という記事は皆無である。

 その記述を見ると、日本のマスコミがよく使う取材方法、表現である「(業界)関係者によると」という匿名のニュースソースに依るものが多い。それを根拠としてジャーナリスト独自の見解を結果として打ち出す。これが事実に反するガセネタである場合もあるが、「勇み足」と思われる記事であっても、後に事実であると判明することが少なくない。

 いずれにせよ、スクープと思われる記事が出ると、シャープに限らず多くの企業広報は「当社から発表した内容ではありません」といった公式コメントを出す。なぜ、このような顛末になってしまうのだろうか。

 原因は特定できないが、一つは、記者会見以外、取材を拒否していることにある。その対策として、ジャーナリストは、社長をはじめとする責任者の自宅を昼夜の区別を問わず訪問しコメントを求める「夜討ち朝駆け」なる取材手法を駆使する。しかし、ここから得られる発言内容は短めになりがち。そのため、関係者を徹底的に取材した上で裏をとり、“Yes or No”の確認を得ることを主な目的とする。ここでコメントを求められた当事者が「その件については、いずれ発表します」などと口にすると、記者(上司のデスク)はそれではスクープにならないと判断し、持ちネタを合わせて記事としてできるだけ早く発信することになる。

 一旦、影響力を持つメディアがスクープ記事を出すと、他社の記者や無所属のフリージャーナリストたちが一斉に追っかける。新聞であれば、とりあえず当日の夕刊か翌日の朝刊に追っかけ記事を小さめに載せる。抜かれた側の記者は悔しく思うだろうし、デスクからも「何をしているんだ」と叱責される。その結果、今はやりの「倍返し」ではないが、当該企業の別のニュースを、今度こそ我先にと追うのである。

 こうした関係性が、今のシャープとマスコミの間に生じているのではないだろうか。この点について、シャープの社員に話を聞くと、「奥田(隆司)元社長は(2012年4月に)社長に就任してから1年3カ月の間、就任時以外、個別のインタビューには応じていません。だから勝手に書かれてしまうのではないのでしょうか」と言う。

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