なんのためのリニア新幹線か…利用者もJRもメリットない?巨額負債抱え売上は微増

Business Journal / 2013年10月7日 7時0分

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 東京と名古屋(最終的に大阪まで延伸予定)を結ぶリニア新幹線の詳細なルートや駅の位置、環境への影響などを記したレポートをJR東海が発表してから、1カ月近くが経った。ちょうど、2020年の東京五輪開催が決まった時期と重なったために、27年の開業予定を7年も前倒しして、「オリンピック開催時には間に合わせることができないのか」などという声もあったが、いま一度、リニア新幹線計画の現状について考えてみたい。

 そもそもこの計画の歴史は古く、今から43年前、1970年の「全国新幹線鉄道整備法」にまで遡る。まさに高度成長の真っただ中で、3年後の73年に基本計画は承認される。当時の総理大臣は田中角栄で、田中が著した『日本列島改造論』が大ブームになっていた。その後、紆余曲折を経て、2011年5月、国土交通大臣によりJR東海が営業主体と建設主体に指名された。かつては国鉄主導の国家プロジェクトだったものが、現在では一民間のプロジェクトになっていることを示している。

 このリニア新幹線は、東京・品川と名古屋を時速約500kmで走行し、約40分で結ぶものだ。現在の「のぞみ」では1時間半を要するので、50分ほど短縮されることになる。料金については、現行の「のぞみ」に700円程度の上乗せに抑えるとしている。この金額なら乗ってみたいと思う人が多いことだろう。しかしながら、車窓からの景色を楽しむということは、残念ながらほとんどできない。というのは、全長286kmのうち、地上を走るのは40kmほどで、しかもその地上も騒音対策の壁があり、トンネルとほとんど変わりがないからだ。

 さらに、乗車時間が50分短縮されるといっても、品川駅は地下40メートル、名古屋駅は30メートルの地下に建設される。仮に地上の在来線との乗り継ぎに20分程度かかってしまうと、実質の時間短縮はたった30分になってしまう。こうしてみると、リニア新幹線は多くの利用者にとっては、魅力やメリットをあまり感じられなくなってしまう。

●JR東海が「リニア新幹線」を掲げる意義

 次にJR東海にとってのリニア新幹線の意味を探っていこう。

 まずは、かかる建設費用は総額約9兆円というビッグプロジェクトである。その費用は、当然すべてJR東海が負担する。そして負債額は一時的に5兆円まで膨らむことを想定しているが、この数字は同社の年間売上の約4倍に当たる。そして27年の名古屋開通時点での鉄道部門の売上高を1兆2130億円と見込んでいるが、これはほぼ現在と同じ水準で、45年の大阪開通時の予想売上高は10%増の1兆3540億円の見込みだ。

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