【みずほ暴力団融資事件】歴代経営陣に巨額損害賠償請求の可能性も…善管注意義務違反か

Business Journal / 2013年10月17日 7時0分

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 みずほ銀行の歴代取締役たちは今、恐々としているという。同行の暴力団組員への融資に対する隠蔽工作が善管注意義務違反に当たり、巨額の損害賠償を請求される恐れが出てきたからだ。

 会社法では取締役らに経営上の善管注意義務が課せられている。善管とは「善良な管理者」の略で、民法644条に「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定められている。取締役であれば、会社に損害を与えないように注意を払って行動する義務がある。株主代表訴訟で善管注意義務違反に当たると認定されれば、取締役は損害賠償を命じられることになる。

 今回発覚した暴力団構成員への融資問題では、経営トップが参加する取締役会などに計8回、グループ企業・オリエントコーポレーション(オリコ)を通じた暴力団組員への融資残高の推移を記載した文書が報告されていた。融資が発覚したのは2010年12月。問題融資の実態を把握していたのは西堀利(旧富士銀行出身、在任09年4月~11年6月)氏、塚本隆史氏(旧第一勧業銀行出身、同11年6月~13年7月)の歴代頭取だけではなかった。持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)社長を兼務する、みずほ銀の佐藤康博頭取(旧日本興行銀行出身、同13年7月~)も11年7月~12年1月の取締役会などで計4回、「オリコの反社(会的勢力への)取引について」と題された資料を受け取っていた。11年7月の段階で知りうる立場にあったにもかかわらず、10月8日の記者会見では「参考資料を見た記憶や説明を受けた記憶もない。スペシフィック(具体的)な議論がなかったため問題と認識するには至らなかった」と釈明をした。

 取締役会で十分に議論されず、担当役員以外が問題を認識していなかったとしても、取締役として善管注意義務違反責任を問われる可能性はある。暴力団構成員への融資を認識していたかどうかは、さほど問題ではなく、不作為に注意を怠ったとしても賠償責任を負うのである。担当だったかどうか、認識していたかどうかに関わらず、取締役としての職責を果たせなかったことに対する責任が問われるのが善管注意義務である。歴代の取締役が恐々としている理由がここにある。

●オリンパス事件の事例

 これまでに善管注意義務違反を問われた事件を振り返ってみよう。

 巨額損失隠しが発覚したオリンパス事件では、まず個人株主が動いた。11年11月、1999年以降に在籍した取締役、監査役、会計監査法人に対して調査を行い、調査の結果、善管注意義務違反が判明した場合には総額1494億1900万円(と延滞遅延金)の支払いを求める提訴を行うよう同社に請求。株主提案を受けて同社は請求内容について調査に入った。

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