羽田発着枠争奪戦の舞台裏〜“優遇”ANAと自民党の蜜月、“冷遇”JALの焦り

Business Journal / 2013年10月18日 7時0分

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 東京国際空港(羽田空港)の国際線発着枠の新たな配分が決まった。国土交通省はANAホールディングス(HD)傘下の全日本空輸(ANA)に11枠、日本航空(JAL)に5枠を割り当てることを決めた。

 羽田の国際線発着枠は、1枠(=1往復分)で年間売上高が100億円、営業利益は10数億円(JALは20億円と推計)が見込めるドル箱ならぬ“プラチナ路線”なのだ。今回ANAはJALより6枠多く得たことで、ANAの売上高は単純計算で年間600億円、営業利益は60億円以上、JALよりかさ上げされる。

 内訳だが、英国、フランス、中国(北京)、シンガポール、タイの5カ国の路線は、両社に1枠ずつ配分した。一方で、日本側に1枠しか割り振られていないベトナム、インドネシア、フィリピン、カナダの路線はすべてANAが独占、日本に2枠与えられているドイツの路線も2枠ともANAが確保した。ANAは羽田発着の新路線でドイツ、ベトナム枠を得たほか、成長市場である東南アジアの便も手に入れた。

 2014年3月末以降、午前6時〜午後11時までの昼間発着枠は1日当たり40枠増える。このうち半分を海外航空会社に割り当てる。米国行きの割り当てがまだ決まっていないため、日本側の20枠のうち16枠について配分を決めた。

 これまではANAとJALに8便ずつの均等配分だった。ANAは自社に多くなるよう傾斜配分を主張、JALは均等配分を狙っていた。国交省が傾斜配分に踏み切ったのは、公的支援による「焼け太り」批判が高まるJALに利益面で大きく引き離され、厳しい経営が続くANAに配慮したものだ。税負担が免除されていることもあり、JALの13年3月期の連結最終利益は1716億円。ANAHDの431億円の約4倍と大きな格差が生じた。

 国交省の平岡成哲・航空事業課長は記者会見で、「(JALとANAに)体力差が生じている。公平な競争基盤を確立する必要がある」と述べ、ANAに多く配分した理由を説明した。発着枠が傾斜配分されたのは、今回が初めてではない。12年11月の羽田空港国内線の割り当てでも、ANAが8枠だったのに対してJALは3枠にとどまった。ANAは国内線、国際線でJALに大差をつけ2連勝した。

●官邸主導で決まった枠配分

 20年の東京五輪開催が決まり、羽田空港は日本の表玄関になる。国際線発着枠は、ナショナル・フラッグ・キャリアの座を懸けた争奪戦であった。

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