アベノミクス、消費増税で好況のウソ〜悪化進む消費、破綻できない資産“超過”日本

Business Journal / 2013年11月5日 6時0分

写真

 昨年12月に自民党・安倍晋三政権が発足し、上場企業の2013年4~6月期決算では、営業利益が前年を3割強も上回るペースとなり、政権発足前には9000円を割り込んでいた日経平均株価は、一時1万5000円台にまで回復。為替相場でも円高是正が進み、政権発足直後の1ドル=85円前後から、5月には約4年7カ月ぶりとなる103円台まで下落し、メディア報道などにより、アベノミクス効果で日本経済が急回復しているとのムードが広がっている。
 
 だが、こうした見方に異を唱えるのが、7月に『日本経済 ここだけの話』(朝日新聞出版)を上梓し、ぐっちーさんのペンネームで知られる山口正洋氏だ。

 モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がける投資銀行家であり、「AERA」(朝日新聞出版)や「週刊SPA!」(扶桑社)などに連載コラムも持つ山口氏に、前回に引き続き、

「日銀の掲げる2%物価上昇、消費増税で経済成長のごまかし」
「日本財政は破綻しない」
「“すでに強い”日本企業がとるべき道」

などについて聞いた。

--安倍首相は日銀に2%の物価上昇率達成を求め、黒田東彦総裁は「2年程度を念頭に実現を目指す」としていますが、この方針は正しいのでしょうか?

山口正洋氏(以下、山口) 間違っていると思います。政府と日銀の考えをきわめて単純化すれば、今よりも将来のほうが物価が高くなるという経済環境の下では、早く買わなければという消費者が増え、人々は貯金を取り崩してでも、今ものを購入する、つまりお金を使うはず。その結果、企業収益が改善して、社員の給料も上がるという論理です。いわゆるリフレ派と呼ばれる人たちが唱えている理論で、いろいろと買いたいものがあった1980年代はまさにそういう展開でした。

 しかし今、多くの日本の消費者にとって、どうしても急いで買わなければと思っているものはありますか? 買うのを我慢しているものはありますか? もうちょっと楽に生活したいという思い、あるいは将来に対する不安、そういうものは持っていたとしても、大多数の人はすでにほとんどのものを手に入れているのではないでしょうか。将来のほうがものの値段が高くなるとしても、今のうちに急いで何かを買おうとは思わないでしょう。

 逆に、ただでさえ将来に対して不安を持っているわけですから、物価が上がっていく中で給料はいつ上がるかわからないとしたら、まず考えることは「生活の防衛」でしょう。すると、消費を控え、節約しますよね。それに消費税増税も待ち構えているわけです。

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング