山本太郎議員の天皇陛下への手紙手渡しは違法か?“暗黙の了解”、請願法に触れる可能性も

Business Journal / 2013年11月6日 12時0分

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 弁護士法人アヴァンセリーガルグループのパートナー弁護士で、企業法務から民事/刑事事件、インターネット関連法務など幅広い分野で豊富な経験を持つ山岸純氏が、話題のテーマや身近な紛争事案などについて、わかりやすく解説します。

 10月31日、天皇皇后両陛下主催の秋の園遊会が開催されましたが、その席上で、山本太郎参議院議員が天皇陛下を呼び止め、自身の手紙を渡したことがニュースになりました。

 その後、この山本議員の行動について、与党の大臣や各党の党首などが「天皇の政治的利用であり許されない」などの批判的なコメントを発表しています。

 これに対し、山本議員はブログなどで「原発事故による子どもの健康被害や事故の収束作業にあたる作業員の健康状態を知ってもらいたかった」といったコメントを発表したり、また、マスコミのインタビューに対し、「憲法に天皇に手紙を渡してはいけないと書いてない」と答えたとか答えてないとか。また、インターネット上の掲示板では、山本議員が手交した手紙の「偽物」がアップされたり、おかしな方向に議論が進んでいる気がします。

 そこで今回、現行憲法下における天皇の「役割」について改めて整理し、その上で、今回の山本議員の行動が、はたしてどのような意味を持つ行動であったのか、どのように評価される行動なのか、彼の行動の是非について検討したいと思います。

●現行憲法下における天皇の「役割」

 国の基本原則をまとめた憲法は、まず、天皇の地位について「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く(原文ママ)」と規定しています。次いで、天皇の行動について、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ(原文ママ)」、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない(原文ママ)」と規定しています。

 ここでいう「国事行為」とは、憲法7条に列挙されている行為で、例えば法律を公布すること、国会を召集すること、衆議院を解散すること、大臣の任免を行うこと、恩赦等を行うこと、などです。

 これらをみると、憲法上、「(天皇は)国政に関する権能を有しない」とされているのに、なんだか高度に政治的な行為を行っているようにも思えます。

 しかしながら、これまで学者たちが研究を重ね喧々諤々の議論した結果、「天皇の国事行為は、本来、高度に政治的な行為だが、常に内閣の助言と承認を必要としているので、結局、形式的な行為になる」から問題ないということで落ち着いているようです。

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