事故多発に経営悪化のJR北海道、地域観光に貢献で好調JR九州〜明暗分けたものとは?

Business Journal / 2013年11月8日 7時0分

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 日本国有鉄道(国鉄)から分割民営化され、1987年に発足したJR北海道とJR九州の明暗は、大きく分かれた。

 JR北海道は先月10月19日の列車事故をきっかけに、線路異常などの整備不良が発覚。あまりのずさんな経営体質に国土交通省からは2度の改善指示を受け、経営は悪化する一方。すでに存続そのものも問われている。一方でJR九州は、九州新幹線開通をはじめ、独自で進める高級列車が大きな話題となり、経営も軌道に乗りかけている。

 国鉄は1987年に民営化され、6つの地域別旅客鉄道と貨物鉄道会社に分割された。しかし独立法人、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の100%子会社であるJR北海道、JR四国、JR九州の3島会社は当初から大幅な赤字体質であったため、国は3島会社に経営安定化基金を設置、この運用益で赤字補てんが行われた。JR北海道の基金は6822億円、JR九州は3877億円、JR四国は2082億円、合計すると1兆2781億円に上る。ただ、これらのお金は流用することができなことになっており、あくまでもこれを運用し、赤字の穴埋めをするためだけに使われる。金利は当初7.3%。運用利回りは1年間でJR北海道は498億円、JR九州は283億円、JR四国が151億円に上り、かなり巨額の持参金といっていいだろう。

 3島会社はこの資金を鉄道整備基金(現鉄道・運輸機構)に貸し付け、この金で鉄道整備基金はJR東海やJR東日本、JR西日本の新幹線の設備投資を行う。整備した新幹線をこれら3社に貸し付け、その金利を3島会社に支払うという仕組みだ。

「簡単にいうと、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社が金利というかたちで、赤字補てん部分を3島会社に支払っているわけです。だから税金を使っているわけではないのです」(国土交通省関係者)

 そして巨額の持参金付きで民営化しなければやっていけなかった3島会社のうち、JR九州とJR北海道の命運は分かれた。

 JR北海道は1615億円ある株主資本のうち、利益剰余金を8億円毀損、一方でJR九州は2923億円ある株主資本のうち、利益剰余金を1044億円まで増やしている。つまり、JR北海道は経営安定化基金で赤字の穴埋めを行っているにもかかわらず、自己資本を毀損し経営悪化に向かっているが、JR九州は民営化以降自己資本を厚くし、経営の安定化を進めているというわけだ。両社の命運を分けたものは、いったいなんなのか?

●経営悪化招いたJR北海道の体質

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