楽天、揺れるブランド~薬ネット通販解禁では改革者、球団日本一、不当割引表示疑惑…

Business Journal / 2013年11月8日 3時0分

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 11月3日、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスが、球団創設9年目で初の日本一に輝いた。その興奮冷めやらぬ中、親会社の楽天がふたつのニュースで注目を集めている。

 まずひとつめが、「インターネットでの医薬品販売」に関してだ。11月6日、政府は今国会に提出する薬事法改正案に、一般用医薬品(市販薬)の99.8%のネット販売を解禁する一方で、安全性に懸念がある28品目を禁止・規制する新ルールを盛り込む方針を決定。市販薬1万1000品目のうち、ネット販売を禁止するのはエフゲン(殺菌消毒薬)など「劇薬」の5品目。また、医療用から切り替えられて間もないリアップX5などの23品目は「要指導医薬品」と名付けられ、販売開始から3年以内に安全性の評価を終えた後、解禁されることになる。政府は今国会での改正案成立を目指しており、来年春にはネット販売の新たなルールが導入される予定だ。

 以前からネットでの医薬品販売の全面解禁を求めてきた楽天の三木谷浩史社長は、この決定を不服として、政府の産業競争力会議の議員を辞める考えを表明した。7日付日本経済新聞によると、三木谷社長は6日に開いた記者会見で、政府が決めた新ルールを「改革と真逆の方向に進んでいる」「政府は医師が処方した薬も対面販売に限ろうとしている。IT(情報技術)を活用して医療費を抑制すべきなのに時代錯誤も甚だしい」と厳しく批判。また、楽天傘下の医薬品ネット通販会社・ケンコーコムは行政訴訟を起こす構えで、三木谷社長も「立法化されたら国を訴える側を支援する。国の民間議員と両立できない」と国と徹底的に争う姿勢を見せている。

 7日付朝日新聞記事によると、三木谷社長が規制緩和策や成長戦略を協議する産業競争力会議の議員に起用されたのは、“安倍晋三首相のご指名”だったという。政権は当初、医薬品のネット販売解禁に狙いを定めた三木谷社長に歩調を合わせた。ところが、10月に厚生労働省の専門家会議による報告書が出されると、政府は安全性に配慮してネット販売を制限する方向に傾き、三木谷社長と対立するかたちとなったのだ。

 ニッセイ基礎研究所専務理事の櫨浩一氏は6日付ロイター記事で、「規制緩和をのろのろとやっていては会社経営がうまくいくはずないとの思いが強かったのだろう」と三木谷社長に一定の理解を示しながらも、「反面、政治の視点から見れば、国民生活への配慮もある。規制緩和への反対にも一理あり、何十年もかけて築いてきたリスクへの配慮を一気に崩すには問題も多い」と、その性急さを指摘している。

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