事業承継、なぜ難しい?お家騒動の円谷プロ、失敗した社長公募、後継者不在のスズキ…

Business Journal / 2013年11月11日 14時0分

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「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/11月9日号)は「完全対策 事業承継」という特集を組んでいる。「企業経営者にとって後継者にバトンを渡す『事業承継』は重要課題の一つだ。高度成長期に創業した会社が、続々とトップ交代の時期を迎えている一方で、準備が進んでいない企業は6割にも達している。後継者へのバトンタッチがうまくいかなければ、会社の成長が止まり、業績の停滞を招く。最悪の場合、倒産に至るケースもある。手塩にかけた会社を“永続企業”としていくための、事業承継の極意を紹介する」という内容だ。

●後継者選びの難しさ

 ユーシンという自動車部品製造のメーカーをご存じだろうか。売り上げを50倍に伸ばした名物社長が2010年、上場企業では異例の新聞広告で次期社長を公募したことで、一躍、ニュースになった会社だ。公募には2週間で1722人の応募者が殺到し、社長候補として、東京大学を卒業した外務省官僚と副社長候補としてソニーの関連会社出身者が選ばれた。企業のグローバル化を目指す名物社長にとっては理想的な人選に思えた。

しかし、あれから3年。

「(外務官僚は)根本的な発想が公務員で、金儲けに徹し切れず、商売人に不向きだった」「(ソニーの関連会社出身者も)働き方が期待外れだった」と後継者選びに失敗した。「結局集まったのは、元の組織で認められていないか、不満を抱えている人物ばかり」と公募による後継者選びの難しさを名物社長は語る。現在は、所属組織の3倍の年収を提示し、外国人にも門戸を開いているが「意中の人はなかなか首を縦に振ってくれない」とこぼしている(特集記事『プロローグ 事業承継が危ない』)。

 残念ながら、この名物社長は、優秀な人間は「カネではなく働きやすさ、満足感を求める傾向にある」ことを知らないようだ。目の上に口うるさい名物社長と株主がいる状況では、社長職を引き受ける人間はよほどの世間知らずに違いない。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も、そうした呪縛にとらわれている(以前から65歳になる14年2月までに、社長を退き会長に専念すると公言してきたが、後継者育成がうまくいかずこの10月、これを撤回した)。

 現実的に、事業承継における後継者の不在やお家騒動は今後、ますます増えてきそうだ。というのも、一般の会社員なら定年を迎えている65~69歳の経営者では過半数が、80歳以上の経営者でも3分の1以上が後継者不在となっているのだ。

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