軍艦島、巨額経済効果見込める世界遺産登録への壁~保存コスト、国の文化財指定…

Business Journal / 2013年11月11日 18時0分

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 政府によってユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に推薦されることが決定した「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」。その中には、長崎県の端島、通称・軍艦島が入っており、ファンならずとも注目が集まっている。果たして軍艦島は、無事、世界遺産に登録されるのか? そして登録された場合、その経済効果は?

 今回、写真家の酒井透氏が、長崎市に許可を得て軍艦島内部へと上陸。自身が撮影した珠玉の写真をピックアップしつつ、軍艦島の世界遺産登録に向けての具体的なハードルや、市の動きなどについてレポートする。

「いま再び軍艦島が熱い」というニュースをご存じだろうか?

 去る9月17日、政府は、2015年のユネスコの世界文化遺産登録に向けて「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を推薦することを決めた。政府は、来年2月1日までに正式に推薦書をユネスコに提出する。

 この「産業革命遺産~」を構成しているのは、八幡製鉄所(北九州市)や長崎造船所(長崎市)など稼働中のものを含めた28の施設だ。

 マスコミがこのニュースに注目したのは、“富士山の世界遺産登録”の後だから、というわけではない。今回は、「産業革命遺産~」に加えて、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)という2つの候補が競合し、あたかも『長崎対決』のような形となっていたからである。

 結果的に、「産業革命遺産〜」に軍配が上がり、12年に続き2度目のチャレンジをした「教会群」は再び涙をのんだわけだが、「産業革命遺産〜」の中に“廃墟好き”などサブカルクラスタからも根強いファンが多い軍艦島(長崎市・端島)が入っていたことも注目を集めるきっかけとなった。
 
●奇跡的に残された軍艦島の集合住宅群

 現在、同島の西部地域には、数多くの建築物が残されている。これらの建築物は、すでにその役目を終えているが、世界中を探しても、このような場所は見つからない。

 軍艦島は、19~20世紀にかけて海底炭鉱の島として栄え、1960年の最盛期には、5300人余りの人が暮らしていた(現在の東京都の約9倍の人口密度)。しかし、“石炭から石油へ”というエネルギー革命によって、74年に閉山されると、その後、40年近くも無人島となっていた。

 近年、軍艦島に残されている日本の近代化の黎明期を象徴する建築物などが注目を集めるようになり、熱い視線が注がれるようになった。九州を中心として軍艦島の勉強会や当地を視察するヘリテージツーリズムなども行われている。

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