ワタミにユニクロ…短絡的なブラック企業批判が問題を延命?社員や客が加担も

Business Journal / 2013年11月17日 7時0分

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 「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、数多くの企業の裏を知り尽くした新田氏が、かえって根本的な問題解決の先送りにつながりかねない、噛み合わないブラック企業をめぐる議論を整理します。 

 前回記事『“よくわからない”ブラック企業問題〜誰にとっていい/悪い企業?日本企業の多くはグレー』で述べたように、ブラック企業にまつわる議論がよくわからないのは、問題の切り口が複数あり、どの立場に立つかによって答えが変わってしまうことによる。

 一つの会社が、ある立場をとる人からは「いい会社」と称賛され、別の立場の人からは「ブラック企業」だと罵られる、などということは普通にあるものだ。その切り口とか立場の違いについては前回述べたが、今回は筆者が「最も我慢できない存在」から述べていきたい。

 それは、「ワタミやユニクロなど、目立つ企業だけをブラックだと叩いて溜飲を下げている、脊髄反射な人たち」だ。彼らは、ネット上のごく一面的な情報だけを鵜呑みにし、自分たちは法に則り絶対的に正しいというスタンスで振る舞い、ワタミ・ユニクロに擁護的な意見に対しては「筆者は何もわかってない」「ステマ」「だって人が死んでるのに」といったいつもの批判を繰り広げる。

 しかし、彼らは「自分たちのその行動こそが、ブラック企業問題の解決を遠ざけている」ということにまったく気付いていないのだ。

 ワタミやユニクロは労働環境面では確かにブラックだが、同じレベルのブラック度合の会社ならほかにも多数存在している。なのに、なぜこの2社ばかりが叩かれるのだろうか。

 それは、「経営者が目立つ」「儲かっている」「みんなが叩いてる」など、なんとなく同調しやすい空気があるからではなかろうか。一方で、労働基準法違反など日常茶飯事な本当のブラック企業は、なかなか日の目を見ることがない。なぜならそれらの会社はワタミやユニクロとは真逆で、「知名度がない」「小規模零細企業」「誰も注目しない」ため、叩いたところで周囲からの反応も薄く、面白くないからであろう。

 共産党などは、7月に行われた参議院選挙で、あからさまに社名を挙げてブラックだと批判し、選挙ネタに使っていたくらいだ。これはもう「名誉棄損」とか「営業妨害」でかの党を訴えてよいレベルだったが、それさえ指摘しにくい雰囲気があったことに危険を感じている。社会的な「正論」の皮をかぶった、オトナのイジメといってもよいだろう。

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