「街づくりのパナソニック」「医療のソニー」への変身なるか~「立地転換」戦略の勝算

Business Journal / 2013年11月17日 6時0分

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 最近、新聞や雑誌では、「B to C(一般消費者向け)からB to Bへ(企業向け)」という表現が躍るようになった。つまり、立地(戦略市場)を転換する意味の「リ・ロケーション」が注目されているのだ。この経営戦略が成功すれば、同じ技術を活用しても、売る市場を変えることにより業績が大きく変わる可能性があるからだ。

 立地については、11月7日付日本経済新聞(朝刊)で開始された神戸大学の三品和広教授の連載「事業立地の戦略論」に詳しい。より深く学びたい読者は、同連載や三品氏の著書を読まれればいいだろう。今回は、この概念をより具体化する段階に入った日本企業の動きに注目してみた。

 そもそも、事業立地の重要性に気づいたのは、ハーバード・ビジネススクール(MBA=経営学修士)教授のローラン・クリステンセン氏やケネス・アンドリューズ氏であるが、どうも、最近、経営者たちから話を聞いていると、盛んに「立地転換」という言葉を使うので「三品先生の本を読まれたのでしょう」と振ると、この推察が当たっていることが多い。神戸大学名誉教授の加護野忠男氏は以前から「日本企業の特色として、独立した子会社のほうが親会社よりも大きくなってしまった事例が目立つ。親会社が子会社を取り込むのではなく、子会社に任せる経営が戦略上有効である」と説いている。

 例えば、重電機器メーカーの富士電機から分かれ、通信とコンピューターで急成長した富士通や工作機用CNC装置で世界首位のファナック、社名の通りセルロイドメーカーだった大日本セルロイド(現・ダイセル)から写真フイルム事業を引き継ぎ分離独立した富士フイルム(旧・富士写真フイルム)などが有名である。

 富士フイルムは、銀塩フィルムからデジタルへの移行と、それにより生じるフィルム需要の激減に危機感を募らせていた。その結果、電子部品、医療機器、化粧品、サプリメントといった新事業を立ち上げ成功している。つまり、これらの子会社の急成長も立地転換が成功した事例と見ることができる。

 逆にパナソニック電工や三洋電機を完全子会社化し、立地転換に社運を賭けているのがパナソニックの津賀一宏社長である。2019年3月期をめどに、新たに自動車関連で2兆円、住宅関連で2兆円との売上高目標を掲げ、「世界に類のないユニークな会社として復活できる」と新成長をけん引するコア事業として確立する考え。

●新しい発想と技術・サービスよる街づくり

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