連合、問われる存在意義〜賃上げで歩調合わせる政府と経済界、蚊帳の外の連合

Business Journal / 2013年11月19日 4時0分

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 労働組合の中央組織である連合は、10月に開いた定期大会で古賀伸明会長の3選を決めた。連合会長の3選は過去に初代の山岸章氏だけだ。民主党最大の支持母体のトップでもある古賀氏は今夏、腰を痛めて3カ月ほど入院。参院選の指揮を執れなかったが、対抗馬なしの無投票再任である。

 古賀氏は大会で傘下の産別労組に、「働く者の消費マインドを改善させ、デフレ経済の悪循環を打ち切らなければならない」と述べた。来年の春闘では一時金だけでなく賃金を底上げするベア(ベースアップ)要求を積極的に検討してほしいと提案した。

 連合は2010年の春闘以来、統一ベア要求を見送ってきた。2008年秋のリーマン・ショックがもたらした企業業績の悪化で、産別労組に慎重な意見が目立ったためだ。企業収益は改善傾向にある。連合は5年ぶりに統一ベア要求を掲げて春闘を戦う絶好のチャンスだ。

 だが、反転攻勢は難しい。労組が行うべき賃上げ要求権を首相に奪われてしまったからだ。今、連合は存在意義を問われる事態を迎えている。

 政府、経営者、労働組合の3者が雇用や賃金について議論する「政労使会議」が9月20日、首相官邸で開かれた。初回会合には政府から安倍晋三首相と経済閣僚、経済界から経団連の米倉弘昌会長、日本商工会議所の岡村正会頭、労働界からは連合の古賀会長らが出席した。安倍首相は冒頭のあいさつで「経済はデフレ脱却に向かっている。企業収益、賃金、雇用の拡大を伴う好循環につなげられるかどうかが勝負どころだ。産業、労働界も大胆に取り組んでほしい」と述べ、賃上げを要請した。

 3者協議は安倍政権下では初めてだ。首相は国民生活に負担を強いる来年4月の消費税増税実施を控え、政府による賃上げ要請は不可欠と判断した。給料アップを促すことで、経済対策が企業優先との批判をかわしたいとの政府の狙いが透けて見えてくる。だが、賃上げはあくまで企業の判断で行う事柄であり、政府が介入すべきものではないとの見方も強い。

 経営者側は賃上げに慎重だ。日本商工会議所の岡村会頭は「中小企業を中心に、成長戦略がいつまで続くかに慎重な見方がある」と述べた。連合の幹部は、首相が賃金に言及したことに「賃金の話は労使でやるべきものだ」と不快感をあらわにした。連合側には政府に主導権を奪われてしまった悔しさがにじむ。

 というのも、連合は首相と古賀会長によるトップ会談の開催を求めていた。しかし、首相は拒否し続け、逆に経営者も加えた政労使会議を開催した。古賀会長は「賃金交渉は労使の専管事項」と抵抗したが、最終的には参加した。

●現実路線にカジを切る連合

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