契約トラブルの元凶・解約、できるorできないように定めるのはどちらが有利か?

Business Journal / 2013年11月20日 14時0分

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 とっつきにくい「契約書」に関する問題を、1月に上梓した『契約書の読み方・作り方』(日本能率協会マネジメントセンター)も「わかりやすい」と評判の行政書士・竹永大氏が、専門家としてやさしく解説します。

 取引において、時には相手方の事情が変わるなどして、継続が難しくなったり、契約が不本意に打ち切られてしまうこともあります。あるタレントと舞台監督との間で、舞台製作をめぐり「原作者の許可を求めていたのに得ていなかった」、とか「タレントが稽古に出てこないので、舞台が中止に追い込まれた」といった水掛け論が起き、訴訟に発展したという事件も記憶に新しいのですが、そもそも契約を途中でやめてしまうことはできるのでしょうか?

 法的には、いったん締結した契約は、勝手には解除できないのが原則です。法律を持ち出すまでもなく、タレントが舞台に出演するとか、建築業者が工事を受注するとかいった継続的な取引であれば、目的を達成するまで契約がきちんと継続することが望ましいのは当然です。

 では、念のためということで、契約書に「期間中は解約できないものとする」のような条文を書いておけば、自社にとって有利な契約書になるでしょうか? これは、イエスでもありノーでもあるといえそうです。

 解約できないことが有利になる例として、自社がなんらかのコンサルティングを提供する場面を想定してみましょう。せっかく練り上げたプランやノウハウの提供が、クライアントから気まぐれに打ち切られたのでは、不都合でしょう。いつ途切れるとも知れない不安定な関係だと、長期的な視野で成果を出すことは難しいからです。

 そこで「解約できない」あるいは「期間中に自己都合で解約する場合は、最低3カ月前の通知を要する」等として、突然の解約を回避してみるとか、あるいは「解約には3カ月分のコンサルティング料金に相当する金額を違約金として支払う」等といった特約をすることで、金銭的にカバーするのもひとつの有効なアイデアです。たとえこうした特約に同意してもらえなかったとしても「自己都合の解約については甲乙別途協議するものとする」のように、話し合いというワンクッションを入れられるような条項を添えるべきでしょう。

●すぐに解約できるようにしたい場合

 一方で、契約をすぐに解除できたほうが、かえってリスクが低くなる場面もあり得ます。例えば、自社がメーカーとして原材料を定期的に販売しているような取引において、相手方の代金支払いが遅れたり、未回収になってしまいそうな時です。

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