ヤフー、なぜ減益必至でもEC無料化?狙いは劣勢挽回と楽天出店者の奪取

Business Journal / 2013年11月28日 14時0分

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 10月8日の東京株式市場で、ヤフーと楽天の株価が急落した。前日、ヤフーの孫正義会長がネット通販サイトの出店を無料にすることを明らかにして、三木谷浩史会長兼社長が率いる楽天に挑戦状を叩きつけたからだ。楽天だけでなく、ヤフーにも売りが殺到した。電子商取引(eコマース)で価格競争が本格化し、事業の収益性が低下しかねないとの懸念が広がったためだ。孫会長の発表から2日間で、両社の時価総額は合計で5530億円以上が吹き飛んだ。それほど無料化のインパクトは大きかった。

 ヤフーが10月7日に開催したイベントで無料化を発表したのは、宮坂学社長兼CEOではない。ソフトバンクの社長としてではなくヤフーの取締役会長の肩書で登壇し、ネット通販サイト「Yahoo!ショッピング」とオークションサイト「ヤフオク!」への出店を無料にすると発表した。現在、ヤフーの通販サイトに出店するには初期費用が2万1000円、月額出店料が一律2万5000円かかる。ロイヤルティーも売り上げの1.7~6.0%を徴収している。

 孫会長は出店料を無料にすることで「2019年までに、国内eコマースの流通総額と商品数で(ヤフーが)1位になる」とぶち上げた。

 孫会長が挑戦状を叩きつけた相手は楽天だ。ネット通販の売り上げで国内首位のアマゾンは自社で商品を仕入れる直販モデルが主体で、仮想商店街を運営し、出店企業から手数料を得る楽天やヤフーと事業モデルが異なる。一方、楽天市場では初期費用が6万円、月額出店料が1万9500~10万円、ロイヤルティーは売り上げの2.0~6.5%が必要だ。ヤフーは出店料を無料にすることで、楽天市場の出店者を奪い取ることを狙っている。

 反響は凄まじかった。ヤフーは11月9日、「Yahoo!ショッピング」(現在のストア数は2万店舗)への出店希望者が1日で通常の数百倍に当たる1万件に達し、新たに受け付けを始めた個人での出店希望者数も1万6000件に上ったことを明らかにした。宮坂社長は無料化後、10月24日までに5万5000件の出店申し込みがあったと発表した。「これまで10年間で3万件だった。今後も出店は増える」と期待を示した。

 無料化は、ヤフーがこれまでの「手数料モデル」から脱却して「広告収入モデル」に大きく舵を切ったことを意味する。楽天を含め、多くのショッピングモールは出店者を集めて囲い込み、出店料や売り上げ手数料を徴収するビジネスモデルで成り立っている。

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