坂上忍“再ブレイク”のカラクリと、テレビ界の驕り~今年再ブレイクするのは誰?

Business Journal / 2014年1月5日 15時0分

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主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。

「ブレイク」ってなんだ? と思うことがしばしばある。発端はテレビ業界の横並び意識。どこかのバラエティ番組のプロデューサーが一か八かの出演者の人選で博打を打ち、たまたま数字がとれたり、ネットでの反応がよかったりすると、こぞってどの局もそのタレントを使い始める。結果、ブレイクという一時的現象が起こるワケだ。林修先生だって、ふなっしーだって、ローラだのアリーだのダレノガレだの、みんなそう。

 ただ、「再ブレイク」という言い方は「テレビ界の驕り」だなと思う。「ちやほや&ごますり」から手のひらを返すように「トーンダウン&干す」。「あいつを見いだしたのは俺」なんてテレビマンの武勇伝が聞こえてきそうだ。一気に稼がせておいて、陰りが見えたらすぐ廃棄というやり方だ。

 再ブレイクといわれる芸能人は、この「手のひら返し」を痛いほどわかっている。だからこそ冷静で、淡々と仕事をこなす。その姿勢が視聴者の目には「潔い」とか「苦労人」とか「本当はいい人」と映る。どんなに毒舌でも「善人フィルター」にかけられる。視聴者なんて単純だし、忘れるのも早いし、「性善説」が大好きだから。

 そんな再ブレイクしたといわれる芸能人の昨年の代表例が坂上忍。坂上といえば、私が強烈に覚えているのは、主演ドラマ『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』(TBS系/1984年放送)だった。当時主流だった管理教育に疑問を感じ、超イヤミな中学校教師(長塚京三)に盾突き、高校へ行かずに大検をとる、という役だった。「アンチ体制・学校くそくらえ」のマインドに坂上はぴったりだった(ちなみに塾を経営する父親役は菅原文太)。私の中での坂上の印象は、すでに「斜に構えたアウトサイダー」だった。

 ブスが大嫌いで、潔癖症で、ギャンブル狂。その発言は「嫌われないよう、ブログが炎上しないよう、好感度を下げないよう空気を読む」芸能界においては異色の存在に映った。テイのいいことしか言わないお笑い芸人や、毒にも薬にもならないことしか言わないタレントの中で、際立って「正直者」に映った。再ブレイクに分類されるようだけれど、この人はずっと芸能活動を続けていたし、干されたり、転落はしていない。2時間モノのドラマにも出ていたし。再ブレイクと聞いて、本人がいちばん鼻で笑っていることだろう。

●繰り返されるテレビのやり口

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