ビットコイン、普及への壁~投機対象、マネロンの温床、一気に信用崩壊の危険も

Business Journal / 2014年1月9日 1時0分

写真

 パソコンやスマートフォンの世界で、仮想通貨「ビットコイン」が増殖中だ。国の規制に縛られない「無国籍通貨」として急速に期待が高まっており、直近の時価総額は一時1兆5000億円にも膨れ上がった。

 しかし、その一方で、価格が乱高下するなど、新たな決済通貨の枠組みを超え、「投機が蔓延する鉄火場と化しつつある」(市場関係者)との声も聞かれる。近い将来、バブルが崩壊し、ビットコインに投資する個人が痛い目に遭うのではないかとの懸念も消えない。

 2009年に誕生したビットコインの発明者は、「中本哲史(ナカモト・サトシ)」と呼ばれる日本の数学者といわれるが真相は不明のまま。中本氏の論文を面白がったハッカーが設計したとも噂されている。64ケタからなる複雑なIDを駆使したビットコインは、偽造が困難といわれ、特定の国の通貨としての信用はないものの、偽造が難しいことが信用の裏付けで、国境を意識せずに自由に売買ができ、ネット通販の決済や送金に使えるのが特徴だ。

 また、送金手数料がなく、ドルや円との交換もでき、売買手数料も一回当たり0.6%とリアルマネーに比べ格安に設定されている。ビットコインの普及を目指す団体「ビットコイン・ファウンデーション」も設立されており、ビットコインを使った決済システムを立ち上げようという企業が世界各国で広がっている。

 その中心地は、ほかでもない日本の東京・渋谷にある「TIBANNE(ティバン)」。ここでビットコイン取引サイト「Mt.Gox(マウントゴックス)」が運営されており、世界の取引シェアの6~7割を占める。ビットコインは日本生まれ、日本育ちの通貨なのだ。

 しかし、ビットコインは中央銀行の決済システムから自由である分、IDが破られるなど信用の根幹が崩れた場合、責任主体がないだけに混乱を収拾する術がない危うさがある。また、監視がないことから麻薬資金などのマネーロンダリング(資金洗浄)に使われる可能性も高いと指摘される。

 ビットコインはキプロスの預金封鎖を機に、急速に取引量が膨らんだ。国家の信用が失われる中、無国籍通貨としてのビットコインの需要が急増したためだが、需要急増から価格が急騰したことで投機対象にもなっている。欧州中央銀行や米内国歳入庁などはビットコインに警鐘を鳴らしており、マネーロンダリングに絡む摘発など規制強化の動きも見られる。

●乱降下する価格

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング