“異例の”経団連次期会長人事、内定までの混迷の舞台裏~なぜ有力候補が続々消滅?

Business Journal / 2014年1月9日 19時0分

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 米倉弘昌・経団連会長が窮地に陥った。米倉氏は5月末に経団連会長の任期満了を迎えるが、1月8日、最有力の後継候補だった川村隆・日立製作所会長の線が消えてしまったからだ。

 日立はCEO(最高経営責任者)、COO(最高執行役責任者)を新設、4月1日付で中西宏明社長が会長兼CEOに就任し、川村氏は3月31日付で会長を退任。6月の株主総会で取締役も外れ相談役になる。経団連会長に就任する条件として、「現役の会長・社長」という不文律があるため、川村氏の会長就任という可能性は消えた。加えて川村氏は、「日立にとって経済界や対政府の活動は大切だ。活動の多くは新会長にお願いする。私が相談役になる頃には経団連副会長の任期を終了するので、経団連の活動を終える」と明言した。

「ポスト米倉」の有力候補が次々と消えていくという異常事態が続いている。川村氏の会長退任発表が年始早々に行われたのは、財界関係者の思惑をはっきりと打ち消す意味合いがあったのかもしれない。

 同様の動きはちょうど1年前にも見られた。昨年1月、坂根正弘・コマツ会長(当時)が4月1日付で取締役相談役に退き、6月下旬の株主総会で取締役も退任し、相談役・特別顧問になることが発表された。坂根氏は大胆な構造改革でコマツを世界第2位の建設機械メーカーに育て、安倍晋三政権で成長戦略づくりを担う産業競争力会議の民間議員としても存在感を高め、有力な経団連会長候補だった。「コマツという会社の規模から(経団連会長)はあり得ない。交代は既定の路線です」と当時、コマツ関係者は語っていたが、「経団連の人事競争に巻き込まれるのを避けるために(坂根氏は)会長を辞任した」という見方も強かった。

 一連の経緯ではっきりしてきたことは、「経団連の会長がそんなに魅力のあるポストではなくなった」(経団連の元副会長)ということだ。

●影落とす東芝のトップ人事

 米倉会長から奥田碩氏など経団連会長経験者への相談は、昨年中はなかったといわれるが、人事決定に向けた今後の動きは次のようになる。

 経団連には、旧・経団連または日経連(02年に旧・経団連が日経連を統合して、現在の経団連が発足)の会長を務めた名誉会長が5人いる。豊田章一郎氏、今井敬氏、根本二郎氏、奥田碩氏、御手洗冨士夫氏の5人だ。米倉会長はこの5人に次期会長を誰にするかを伝えることになっている。

 経団連内部では「米倉会長の意中の人物は、佐々木則夫・東芝副会長」という見方が強い。安倍首相周辺で佐々木氏の評価が上がっていることも見逃せない。佐々木氏は民間議員として、政府の経済財政諮問会議で法人税関連などさまざまのアイデアを出している。

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