日本の自動車、世界最大の中国市場で苦戦の理由~安倍政権の外交力のなさが国益を損なう

Business Journal / 2014年2月4日 1時0分

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 かつて「鉄は国家なり」という言葉があった。鉄鋼産業が国の繁栄を支え、かつその強さが国力を反映するという意味である。現代の日本では、「自動車は国家なり」という言葉が当てはまる。鉄鋼、化学、電機、情報、エネルギーなどのあらゆる産業と自動車は融合しており、将来的にも自動運転や燃料電池車などの新しい技術でもさまざまな産業と密接な関係を保っていくだろう。自動運転分野でグーグルと自動車メーカーが提携し始めているのは象徴的な動きだ。

 米国が20世紀に飛躍的な経済発展を遂げることができたのも、国内で産出する石油を使う自動車産業を発展させたことでさまざまな経済波及効果を生んだからである。だからこそ「GMは国家なり」という言葉も生まれた。しかし、米国の自動車メーカーはイノベーションを生み出すための経営努力を怠ったため、GMは倒産し、他メーカーも商品力で日本やドイツにかなわなくなった。幸いなことに日本の自動車メーカーは自助努力を重ねて、国際競争力を有し、国内での雇用創出に貢献する数少ない産業となっている。国益に貢献している産業である。

 しかし、その日本の自動車産業がいま、中国でピンチに立たされている。尖閣国有化問題後、中国では反日デモで日本車が破壊されたことなどで販売が激減した。自助努力でサービス向上や新車投入を行って昨年半ばから回復し、2013年は日産自動車、トヨタ自動車、本田技研工業(ホンダ)の日本の大手3社は過去最高の販売台数を記録したが、大きな課題を内包しているのだ。

 その課題とは中小企業の海外展開だ。日本車の高品質さを陰で支えている中小下請け部品メーカーも中国への積極的な進出を計画していたのに、「政治リスク」を理由に投資が滞ってしまっている。いくらトヨタや日産の技術力が高くても、下請けが現地で一緒にモノを造ってくれない限り、日本車の高品質さは担保できない構図になっている。ここでいう下請けとはデンソーやアイシン精機などの大手部品メーカーではなく、イメージとして従業員100人程度の中小零細企業のことである。こうした中小零細企業も、海外展開しなければ国内での仕事だけでは飯が食えない時代が来ている。

 特に中国の自動車市場の成長は著しい。13年は前年比13.9%増加の2198万台を売った。近く3000万台は超えるだろう。09年に米国を追い越して以来、世界1位の座をキープしている。市場構造は、貧富の差が拡大している経済構造を反映して高級車とエントリーカーが売れる傾向にある。首都北京では優に100を超えるブランドがしのぎを削っている。

●ASEANの規模では中国市場を補うことはできない

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