クルマの自動運転技術、新プロセッサ登場で飛躍的に発展~高まる自動運転車実用化への期待

Business Journal / 2014年2月18日 14時0分

写真

 毎年1月に米ラスベガスで開催される世界最大級の国際家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」では、自動車関連の電子機器メーカーも数多く出展するが、最近は欧米や日本の自動車メーカーも自ら出展したり、キーノート(基調講演)やプレスカンファレンス(記者発表)を行うようになった。今年は、トヨタ自動車もプレスカンファレンスを行うなど、日本のメーカーの復活もアピールされていたが、ひときわ注目を集めていたのは、ドイツの自動車メーカー・アウディのキーノートだ。

 アウディはこのキーノートで、米国最大手の電話会社・AT&Tと手を組んで高速な4G通信機能を取り入れ、また、米国大手半導体メーカー・NVIDIAのTegraチップを搭載して高度な情報処理を可能にすると表明し、自動車が自動的に車間距離を保ったり、交通情報をモバイル通信で受信するデモ映像を見せた。

 そこで、このCESで発表されたNVIDIAの新プロセッサである「Tegra K1」を紹介したい。

 NVIDIAのTegraシリーズといえば、タブレットやスマートフォンなどに搭載されるプロセッサだが、今回の「Tegra K1」は現行タイプの「Tegra 4」より高度な3D処理を実現し、タブレットでもパソコンレベルのゲームを可能にするなど、飛躍的に性能を向上させている。

●運転支援システムの飛躍的な向上

 NVIDIAのチップは、今までにも自動車に搭載されていた。ドイツの高級車BMWのi3をはじめとした多くの自動車で、ナビゲーションシステムのグラフィック表示などによく使用されている。

 しかし、「Tegra K1」は大きく進化して、それ以外の部分でも自動車をサポートできるようになった。特に、ADAS(先進運転支援システム)を実現するための機能が耳目を集める。ADASは最近の日本車でも注目されているが、前方の車や人、障害物などとの衝突を避けて自動的にブレーキをかけるといった、運転をサポートするシステムだ。

「Tegra K1」は死角の検知、車線逸脱警告、パーキングアシスト、ナイトビジョン、ドライバーの覚醒度監視、衝突回避システムなどのADASを可能にする。当然、プロセッサだけで実現できるシステムではないので、複数のセンサーやカメラを搭載するなど、情報収集システムも構築するわけだが、自動車メーカーがそのすべての機能を独自に開発するよりも、それぞれの専門分野のメーカーに任せることで負担が軽くなる。

 日本の自動車でも、ADASの機能を備える車種が増えてきているが、この「Tegra K1」の登場によって、アウディはもちろん、世界中のさまざまな自動車メーカーが、より短時間の開発でADASを搭載することが可能になった。

「Tegra K1」によって、今年はADASを搭載した自動車が今までよりも増えることだろう。そして、その先にある次のハードルは自動運転車となりそうだ。
(文=一条真人/フリーライター)

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング