上海で風俗取り締まり厳罰化~中国で吹き荒れる綱紀粛正の一環 日本人出張者は要注意

Business Journal / 2014年3月14日 1時0分

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 中国共産党による風紀引き締めが本格化している。貧富の格差が広がったり、大気汚染が進行したりと、国民の不満がたまる中で、習近平政権の誕生以来、共産党幹部が自ら襟を正していることを国民に示すための綱紀粛正が今まで中心だった。これには共産党内部の権力抗争も絡んでいたが、最近は、その綱紀粛正の対象が外国人にまで及んでいるという。

 例えば、今までは反習近平(反主流派)の頭目であり、最高幹部の一人だった公安(警察)に強い影響力を持つ前常務委員・周永康氏の権力を削ぐために、その周辺関係者の不正を摘発することに力が置かれてきた。尖閣国有化後、2012年9月に中国で反日の暴動が起こったのも、この周氏が黒幕とみられている。胡錦濤氏から習近平氏へ権力が交代する政権端境期の隙を突いて、新政権に揺さぶりをかけたのであろう。中国事情に詳しいジャーナリストは「暴動に参加すると日当が出るため、なんの政治的な信条もない地方の農民が駆り出された。その日当の資金源は、周氏に近いところから捻出されていたのではないか」と話す。現在は、周氏自身に司直の手が及ぶか否かが中国内で注目の的になっている。

 習近平氏は、綱紀粛正の担当に前副首相の実力者、王岐山氏を起用したことで、中国通は「かなり本格的な取り締まりが展開される」と予想していた。この王氏自身も裏の顔は、いわゆる「悪徳お代官的」な政治家といわれており、悪の実態を知る「悪」に取り締まりを任せたわけで、この人事は「山口組のトップが警察庁長官を務めるようなもの」と揶揄する声も出ていたほどだ。池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』の主人公、火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の名台詞「悪を知らなければ悪を取り締まることはできない」をそのまま地でいく人事でもあった。

 特に昨年は、地方都市の書記(市長に相当)クラスの幹部が狙い撃ちにされたようだ。高級ホテルでの税金を使った官製パーティーなどにも厳しいチェックが入り、そうした現場の密告なども奨励されていたという。不満がたまった国民の中には、地方の共産党幹部のご乱行の現場を携帯電話のカメラで撮影して投稿サイトに送り、それを見た当局が調査に入るケースもあったといわれているが、日系企業の幹部が実態をこう話す。

「中国のある地方都市に子会社が工場を建設することになったので、その都市の書記に挨拶に出向く約束をしたら、書記が高級ホテルで歓迎パーティーを開いてくれることになりました。しかし、直前になってドタキャンとなり、市役所の職員食堂で出前を取っての歓迎会に変更となりました。その際に書記からは『すみませんが、市民の目が厳しいので、市庁舎での晩餐会とさせていただきました』と説明されました」

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