医師無免許で抜毛○、脱毛×?美容エステの適法/違法基準の曖昧さと、利用時の注意点

Business Journal / 2014年4月16日 1時0分

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 弁護士法人アヴァンセリーガルグループの執行役員・弁護士で、企業法務から民事/刑事事件、インターネット関連法務など幅広い分野で豊富な経験を持つ山岸純氏が、話題のテーマや身近な紛争事案などについて、わかりやすく解説します。

 4月8日、医師免許がない従業員に「光脱毛」行為をさせたとして、兵庫県警姫路署などは姫路市内のエステ店経営者らを逮捕しました。
 
 これまでにも、脱毛エステなどの美容系サロンで「やけどを負った」「皮膚を傷つけられた」といった苦情から発展した刑事事件が多数ありました。そのたびに問題とされるのが医師法17条違反の点です。そこで今回は、そもそも医師法17条とはどのようなものなのか、さらに「光脱毛」はどこまでが適法でどこから違法と判断されるのかについて解説したいと思います。

 まず、医師法17条とは「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めています。しかし、では医師しか行ってはならない「医業」とはなんでしょうか。

 2005年7月26日付の厚生労働省医政局長通達によれば、「行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うこと」と解釈していますが、これでもまだよくわかりません。

 そこで、個別具体的に考えていかなければならないのですが、医療に関係する行為でも、体温測定や血圧測定、点眼、湿布のはり付け、軟膏塗布、座薬挿入といった行為、さらに「光脱毛」に関することでいえば、「抜毛」は医行為ではないとされています。

 他方、「レーザー脱毛」や刺青を入れる行為、薬剤を皮膚の表面に塗布し新陳代謝の悪くなった角質を剥がす行為(ケミカルピーリング)などは、医師法17条で禁止される「医行為」とされています。
 
 結局、どういった行為が医師法17条違反になるかは、その都度、個別具体的に検討しなければならないということになってしまい、行為が適法か違法かを判断する基準があやふやになってしまっているのが現状です(国民の行動規範である法律の性質としても問題が生じてしまいます)。

●行政のガイドラインや業界団体の策定基準

 そこで、これまで厚生労働省や経済産業省、各種業界団体などがさまざまなガイドラインを策定し、なんとか「適法か違法か」を事前に判断できるよう試みてきました。

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