【PC遠隔操作】我々が完全に騙された片山被告の“巧妙なウソ”の手口と、事件解明のカギ

Business Journal / 2014年5月24日 1時0分

写真

 パソコン遠隔操作事件で無罪を主張していた片山祐輔被告が、一転して全事件での犯行を認めた。河川敷に埋めたスマートフォンから、16日に“真犯人”を名乗るメールをタイマー送信したことで、墓穴を掘った。今後は事実を語るとしており、一連の事件の事実関係は、彼の被告人質問を行えば解明できることになる。しかし、分かりにくいのは、彼の心の中だ。

●片山被告がついた、巧妙なウソ

 弁護人の説明によれば、片山被告は事件を起こす経緯について、「軽い気持ちでやってみたら、できちゃった」ということらしい。ここまでは分かった気になってみるとしても、逮捕後に実に巧妙なウソや演技を重ねて、弁護人や世間を欺き続けた心理は、私にはどうしても理解ができない。

 ウソをつくことに抵抗がないだけではない。今回の“真犯人メール”を私が最初に片山被告に見せた時、彼の顔はそれを読みながら紅潮していき、本当に驚いているように見えた。そのような態度を、彼はごく自然にできてしまうのだという。

 しかも彼のウソは、人の心理を巧みについた、実に手の込んだものだった。たとえば、警察の捜査でも明らかにならなかった、江の島の猫につけたピンクの首輪の入手方法。昨年1月3日に実際に猫につけたものと、同月4日付神奈川新聞の上に載せて写真を撮った偽装工作用のものの2本が使われていた。勾留中だった片山被告は、接見に来た弁護士に向かってつぶやいた。

「レシートを見れば、POSシステムで管理されているか分かりますよね」

 弁護士が確認すると、首輪がついていた台紙にはバーコードが印刷されていた。この首輪は百円ショップのチェーン店で売られていたもので、弁護団は店を経営する会社に、首輪を2つ購入した履歴を照会した。警察も、当然捜査をしていたはずで、それでも明らかにならなかったものが、弁護士の照会で出てくるはずがない。

 今回引き起こした騒動で再収監された後、弁護人に明かしたところによれば、実は、片山被告は首輪を万引きしたのだという。しかも、猫につけたものと偽装工作用に分けて、別の日に盗んでいた。なので、いくら調べても、同じ首輪を2本同時に購入した履歴は出てこない。片山被告は、もちろんそれを知っていた。かといって、あからさまに購入履歴の調査を依頼するのではなく、ヒントだけをつぶやく。弁護士は自発的に会社への照会を思いつき、彼に誘導されているとは気づかない。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング