経産省、全労働者に残業代ゼロを検討か 労働者に見放されるブラック企業たち

Business Journal / 2014年5月28日 14時0分

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 5月23日付日本経済新聞記事『労働時間規制から外す 厚労省方針 高年収の専門職対象』によれば、「厚生労働省は専門職で高収入の人を労働時間の規制から外す方針だ。対象は年収1000万円以上を軸に検討する。時間ではなく成果で評価する賃金の仕組みを導入し効率の良い働き方を促す。労働規制の緩和に慎重だった姿勢を改め、政府が6月にまとめる新成長戦略の目玉とする」という。

「1日8時間労働」という労働時間規制は、もともと管理職は対象外。管理職でない人も対象外として成果に応じて賃金を支払う仕組みは「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外)」と呼ばれ、2006~07年の第一次安倍政権では年収900万円以上で管理職になる前の総合職など一定の層の労働者を労働時間規制の適用除外とする構想が議論の俎上に上がったことがあるが、「残業代ゼロ法案」との批判を浴び、法案の提出を断念した経緯がある。

 今回は、「金融機関のディーラーやコンサルタント、研究職など自分で働く時間を決めやすい専門職」で本人の同意などを導入の条件とする方向だ。

 今月28日の政府の産業競争力会議で導入の検討を表明し、来年の通常国会に労働基準法改正案を提出、16年4月の施行をめざす。

●経産省主導で残業代ゼロへ

「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/5月24日号)の特集『雇用がゆがむ 官製ベア・残業代ゼロ、解雇解禁の点と線』は、こうした動きの背景には経済産業省の意向が影響を与えているという。同特集は「『官製ベア』で盛り上がったのもつかの間、安倍政権は『残業代ゼロ』『解雇解禁』など、雇用ルールの大転換に走る」と指摘している。

 特集『Part1 官製ベアで約束された“受難”』では、政府の強い要請で、大手企業が軒並み6年ぶりの賃金のベースアップを回答した一方で、財界側もその引き換えとばかりに「残業代ゼロ」を政府に要望。その意向を受けた経産省が残業代なし、深夜・休日割増なしの「スマートワーク(仮称)」構想を産業競争力会議で画策している事実をスクープしている。

 スマートワーク構想とは、「本人の同意と労使合意さえあれば、どんな業務内容の新入社員でも労働時間規制が及ばず、残業代なし、深夜・休日割増なしで働かせることができる」制度で、つまりは「ホワイトカラー・エグゼンプション」をすべての労働者にまで、その範囲を拡大したものだ。

 民主党政権時の財務省にとって代わり、安倍政権下の主要会議の事務局を取り仕切るのは経産省。政府の成長戦略として、「とにかく外国人受けする政策を」と「岩盤規制」の雇用に手をつけようとしている。ただし、強力な推進役がおらず、「ホワイトカラー・エグゼンプション」がすべての労働者を対象とするスマートワークにまで拡大するのかどうかは不透明だ。

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