夏ボーナス増額ラッシュ、経済指標改善…なぜ景気回復を体感できない?いつできる?

Business Journal / 2014年6月14日 1時0分

写真

 6月は会社員にとって待ち遠しいボーナス支給月。08年のリーマン・ショック以降、減額続きで辛い思いをしてきただけに「今年こそは」と思う人は多いはず。新聞紙上では「6年ぶり80万円台」「伸び率は過去最高」などと派手な見出しが並び、期待値を高める。だが、6月中旬以降に支給される中小企業のボーナスは、厳しさが残るようだ。

 経団連が5月末に発表した大手企業の夏季ボーナス調査(第1回集計)をみると、調査に回答した74社の従業員1人当たり平均ボーナス支給額は、前年同期比で7万1891円増の88万9046円だった。前年比伸び率は8.8%で、調査を開始した1981年以降では過去最高だという。特に円安効果が業績に反映した自動車業界は、100万円超えの108万6032円と突出している。

 この調査を素直にとらえれば、デフレ脱却、景気回復も本番だと気分は盛り上がる。しかし、調査対象となったのは、東証一部に上場する従業員500人以上の大企業。

 東京・荒川区で金属加工業を経営する従業員20人の中小企業社長は、「確かに仕事量は昨年よりは増えてきたが、それでもリーマン・ショック前の7割もいっていない。ボーナスの増額など無理だ」と、厳しい経営環境を明かす。

 日本の企業数は約400万社といわれ、その97%が従業員規模で300人以下の中小企業。その中小企業の大半は50人以下の小規模企業である。そうした中小企業に景気回復の恩恵が及ぶのはいつ頃になるのだろうか。第一生命経済研究所・主席エコノミストの永濱利廣氏は次のように解説する。

「大企業ほどではないが、中小企業も景況感のデータは明確に改善しており、マクロ全体で見れば中小企業の業績も好転している。これまでの経験則では、景気回復が始まってから国民への波及が及ぶまでには3年程度かかっていたが、今回は政府の賃上げ要請もあって1年程度前倒しで進んでいる印象。一方で、労働需給が逼迫してきているので、マクロ全体で見れば、賃上げの動きは今後も持続が期待できそう」

●景気回復の恩恵、広がるまでには時間

 アベノミクス効果により、景気判断の材料となる各種経済指標が上向いているのは確かだ。財政出動と金融緩和が奏功し、円安株高で日本経済は息を吹き返し始めたが、ここ数カ月間の為替市場では1ドル101~102円台でこう着状態が続き、株価も横ばい推移が続く。アベノミクス第3の矢となる「成長戦略」が見えてこないのが主因といわれている。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング