成長続くイケア、果たして安泰か?郊外型、購入への障壁…迫られる消費者意識の変化への対応

Business Journal / 2014年6月24日 14時0分

写真

「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数あるジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 世界最大の家具チェーン店のイケアは現在、日本国内に大型店7店舗を構え、7月17日には仙台市に8店目の開業が予定されている(当サイト記事『イケア、年間来客数2000万人の秘密 地域特性に合わせた魅力ある店舗づくりの仕組み』参照)。

 2012年に開業したイケア福岡新宮店(福岡県糟屋郡)では、周辺の競合店にも波及効果が表れた。同店に近く、九州の大動脈・国道3号線沿いにある「中村家具」もその1つ。2年が経過した現状を聞いてみた。

「イケアが開業して以来、当店の知名度も上がりました。開業後1年間は売り上げが大きく拡大。その反動を心配したのですが、依然として前年比プラスです。『イケアにも行ったけど疲れた』という年配の方、『この店のほうが落ち着いて選べる』という30代の方もいました。お客様は好みに応じて使い分けているようです」(中村家具・新宮店の尾崎純子店長)

 同社とイケアでは取り扱う家具が異なるが、単純に販売価格を比較すると割高(同社では「良品安価」と訴求する)だ。しかし店員にじっくり相談もでき、購入した家具の引き出しに “ろうびき”(艶出しや滑りをよくする作業)を行うなど、サービス面も充実させている。

 そもそもイケアは、素材から大量調達して同じ製品を数多くつくり、物流手法も工夫してコストを下げることで低価格の家具を実現してきた。

 創業者であるイングヴァル・カンプラード氏が記した同社のバイブル『ある家具商人の書』(イケアコンセプト)には、「利益が資源となる――イケアは、最安値、高品質、経済的な製品開発、賢明な仕入、コストダウンによって利益に到達する」と記されている。

 イケアはまた、店を訪れたお客のセルフサービス(自分で家具を持ち帰り、組み立てる)にすることで販売価格をさらに抑えている。配送サービスや組み立て作業をお願いすると別料金がかかり、低価格の魅力が薄れてしまう。大きな家具は購入者が自家用車で持ち帰るのが一般的だ。

 しかし、このビジネスモデルは将来的に安泰だろうか。

●高齢になると生活スタイルが変わる

 キーワードとなるのは高齢化社会だ。日本国内での高齢者人口は増え続けており、現在は約3186万人、全人口の4人に1人が65歳以上となった。この状態が続けば20年後には3人に1人が65歳以上になる見通しだ。

ビジネスジャーナル

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング