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ボーイング737MAX運航再開、国交省は性急な認可は禁物…墜落の危険性、解消されず

Business Journal / 2021年1月23日 5時50分

 その結果、機首がピッチアップするモーメントが働くという特性が生じたため、ボーイングは離陸上昇中にピッチアップによる失速を防ぐために、手動操縦中においても2基あるセンサーからの迎角信号が規定値を超えると水平尾翼のスタビライザー(水平安定板)を自動的に操作して機首を下げるようにしたのである。このMCASによる機首下げやそれに伴う降下が異常である場合、パイロットは一瞬の猶予もなく、速やかにMCASを解除して機体の立て直しを行わないと墜落の可能性が大きくなる。手順としては、MCASが作動すると、スタビライザートリムホイールが動くが、そのオートトリムを切り、スタビライザー制御システムのカットオフスイッチを切って、手動でスタビライザーホイールを回してジャックねじを回転させる必要がある。

 この操作を瞬時に行わないと間に合わないという難しさがあるので、パイロットにとっては、それはまさに恐怖のトラブルともいえるものだ。スタビライザーは面積が大きく、それが一方的に機首下げの方向にランナウエー(連続的に動くこと)すると、その後方に付いているエレベーター(昇降舵)を操縦桿をいっぱい引いて操作しても、とてもそれを打ち消すだけの揚力を得られないため回復が難しいのである。

ソフトの改修だけではパイロットの不安は解消されない

 今般ボーイングはセンサーの数を増やすなどの改修を行い、MCASの誤作動の確率を減らしたり、誤作動が起きたときにパイロットが適切な操作ができるように付加訓練を強化することで飛行の再開にこぎつけた。しかし、それでもMCASがある限り予想できないトラブルによるランナウエー・スタビライザーの恐怖が消えるものではない。センサーの改修を行ってもコンピューターがトラブルを起こさない保証もないし、回復訓練を強化するとしても、トラブルが離陸直後など高度に余裕がないときに起きれば間に合うかどうかといった不安がつきまとうのである。抜本的な解決は、MCASを取り外す以外にはないと強調しておきたい。

 しかし、仮にそれには大幅な設計変更や時間がかかるため困難なので当面は飛行を継続したいということであれば、あくまで私案ではあるが、MCASをdeactivate(不作動)にして離陸時のエンジン定格出力を落とし、さらに失速からの回復操作をこれまでの737と同じ手順で可能とするなどの処置を行ってはどうか。

メーカーとFAAが、MCASを前提に飛行再開する理由

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