豪腕・ミサワホーム創業者の新会社、存続の危機に…寿命200年住宅の夢潰えるのか

Business Journal / 2016年3月11日 6時0分

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 ミサワホームの創業者である三澤千代治氏が新たにつくった企業が、上場廃止の危機に瀕している。その企業は、東京証券取引所のプロ向け市場に上場するMISAWA HABITA(旧HABITA CRAFT/以下、HABITA)で、三澤千代治氏が直近まで社長を務めていた。

 三沢氏は1967年にミサワホームを創業し、71年に上場。当時の上場企業の社長としては最年少だった。プレハブ住宅をいち早く取り入れ、一時は日本最大の住宅メーカーとなった。しかし、ゴルフ場やリゾートなどに手を広げ、バブル崩壊で経営が悪化、2003年に経営の一線から身を引いた。しかし、三澤氏はその後もファンド経由などで経営権の維持に執着したが奏功せずに、産業再生機構による救済が決まった。現在ではトヨタホームが筆頭株主になっている。

 一方、三澤氏は04年にMISAWA internationalを設立。これとは別に、10年に注文住宅とリフォームなどのHABITA CRAFT(16年1月に現社名に商号変更)を設立。13年7月に東証のプロ向け市場「TOKYO PRO Market」(以下、プロマーケット)に上場した。東証を傘下に収める日本取引所グループ(JPX)のホームページに記載されている三澤氏のインタビューでは、寿命200年住宅を実現するための手法などが熱く語られている。

 プロマーケットは、投資に精通した機関投資家や、大口の個人投資家だけが参加できる市場だ。東証1部など一般市場への上場では、関連業務を担当する幹事証券会社が実務を行う。プロ向け市場では上場適性を評価し、上場後も規制遵守や情報開示をサポートする指定アドバイザー(J-Adviser)が役割を担う。

 今回、HABITAは、指定アドバイザーのフィリップ証券から契約を催告解除するとの通知を受け取った。理由はJ-Adviser契約に規定する「上場後の義務」を十分に果たせていない状況が発生したこと。催告書面によると、今年4月1日午後4時に契約が解除される。解除されれば、4月15日付で上場廃止となる。

●「継続企業の前提に関する注記」

 事の発端は、15年9月に期限を迎えていたHABITAの決算情報開示が延期されたこと。同社が推進している富谷PJ事業について、共同事業者からの入金が遅延していることが要因。同事業は宮城県富谷町での住宅建設や道路建設などのプロジェクト。必要な許認可の取得に時間を要したことで、立替払いなどの入金に影響が出たという。12月に情報開示を行い、今年1月に決算短信の訂正と特別損失の計上を発表。この時点で財務諸表に「継続企業の前提に関する注記」を掲載した。経営の存続に黄色信号が点ったことになる。

 アドバイザーとすれば、投資家への影響を考えるとやむを得ない措置といえる。ガバナンス(企業統治)の再構築でフィリップ証券からの解除回避や次の指定アドバイザーを探すなど道は残されているが、厳しい局面だ。プロマーケットの上場廃止は、同市場が発足来初めてのこと。上場廃止になっても営業は継続すると見られるが、信用度の低下は否めない。

 HABITA側は3月7日に三澤氏が社長を辞任し取締役になることを発表。新社長には証券会社出身者が就任する。三澤氏を表舞台に立たせないようと配慮した公算が大きい。いずれにせよ、今後の展開に注目が集まる。
(文=編集部)

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