一日2百個宅配の過酷労働…ドライバーがアマゾンの異常な便利さの犠牲に、ヤマトの英断

Business Journal / 2017年3月11日 6時0分

 こういった具体的な数字を目にすると、1日8時間で配達し終えるのがいかに不可能に近いかが、より如実にわかるだろう。1日の実労働時間が12時間をゆうに超えてしまう配達ドライバーが多いであろうことも想像に難くない。

「ネットショッピングで朝注文したものがその日のうちに届いたり、細かく時間指定ができたりするなど、今の日本の宅配事情は安価で利用できるにもかかわらず、異常なほど便利になっていますが、おそらく現状がピークなのではないかと考えています。安価で異常に便利なサービスのしわ寄せとして、配達ドライバーが過剰動労を強いられているわけです。

 現在、再配達は無料サービスになっていますが、近い将来、その手間料をアマゾンなどの通販会社側に負担してもらうか、お客様負担として有料サービス化するか、どちらかになっていくのではと思います。

 過剰なサービスは、お客の要望ということもあるが、ライバル企業との競争を勝ち抜くために生まれた側面が強いと思われます。今回ヤマトが値上げに踏み切らざる得ないのは、ドライバーの過酷な労働環境を鑑みると不可避ですが、そのコストをお客や通販会社に負担してもらうだけでなく、ヤマト自身も現状のサービスを継続できないという事実もあり、経営の責任も含め、企業としてある一定範囲の血を流す必要性はありそうです。

 いずれにしても、今は宅配便大手3社によるサービス合戦がエスカレートしきってしまっている状況ですので、さすがに潮目が変わってくるでしょう」(同)

●ヤマト配達ドライバーの悪評も

 サービス合戦のエスカレートが、佐川の配達ドライバーによる放り投げ騒動の一因とも考えられるが、現在、アマゾンジャパンの宅配物を担っているヤマトの配達ドライバーたちには、佐川以上に体力的にも精神的にも負荷がかかっているのではないだろうか。

 実際、SNSやネット掲示板などを見ると、佐川の荷物放り投げのような極端な事例は挙がっていないものの、ヤマト運輸の配達ドライバーに対して、

「態度がすごく悪い。ちょっと待たせただけで思いっきり舌打ちされた」
「再配達の依頼を直接電話したら、あからさまに不機嫌な口調で、最後はガチャ切り」
「こちらが受取のサインをした伝票を、奪うように強引に引っ張って取っていって、無言で去っていった」

といったような書き込みが散見される。こうした情報が事実かどうかは定かではないが、もし事実だとすれば、業務上のストレスが溜まってしまっているとも考えられるだろう。

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