日産、ルノーと合併協議か…実現なら国内はトヨタ・ホンダ「2強陣営」に集約の動き

Business Journal / 2018年5月31日 0時0分

 コネクテッドカー(つながる車)や電動化、自動運転技術の実用化を見据えて、メーカー各社に開発負担が、重くのしかかっている。

 トヨタの豊田社長は決算会見の席上、「百年に一度の大変革の時代を、百年に一度の大チャンスととらえ、これまでにないスピードと発想で挑戦していく」と語っている。

 合従連衡も進んでいる。トヨタはダイハツ工業を完全子会社にしたうえ、スバルに出資。15年にマツダと包括提携し、16年からスズキと提携交渉を進めている。トヨタが先端技術をスズキに供与し、スズキは先行利得を享受しているインド市場でトヨタの水先案内を務める。他方、燃費不正問題を起こした三菱自は日産の傘下に入った。

 国内の乗用車メーカーは、トヨタ、ホンダ、日産の3強に集約されつつある。ただ、日産がフランスのメーカーになれば、まったく別の風景が見えてくるかもしれない。

●トランプ政権が輸入車に最大25%の関税を検討

 トランプ大統領は5月23日、輸入車に新たな関税を課す措置の検討に向け、「(輸入が)米国の安全保障に与える影響について、通商拡大法232条に基づく調査を始めるよう指示した」との声明を発表した。米ウォール・ストリートジャーナルは「(輸入車に)最大25%の関税を課すことを検討している」と報じた。

 米通商拡大法232条に基づく輸入制限について、トランプ政権は3月、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を上乗せする措置を発動し、日本にも適用されている。

 米国は現在、日本から輸入する乗用車に2.5%の関税を課している。実際に関税が25%まで引き上げられるか、上乗せされる事態になれば、日本車の米国での販売価格が大幅に上昇し、日本の自動車メーカーに深刻な影響が出る。

 米自動車調査センターによると、2017年の米国の乗用車販売(1730万台)のうち輸入車が占める割合は44%。日本、カナダ、メキシコからの輸入がそれぞれ11%で以下、ドイツ、韓国と続く。

 日本の自動車メーカーは輸出全体のうち4割が米国向け。関税が上がれば、輸入車の価格競争力が下がり、米国でのサプライチェーン(ディーラー網)の見直しを迫られることにもなる。

 マツダは米国に生産拠点がなく、米国で販売する年間30万台のうち日本からの輸出が76%と高いため、関税引き上げの直撃を受ける。日本メーカーが米国で販売する自動車のうち、輸入車の割合は1985年のおよそ9割から、2017年には30%にまで低下したが、ドル箱の米国市場での販売台数が減れば、業績が一気に悪化する。「安全保障を理由に関税をかけるのは、ちょっと信じられない。自動車だと世界的な影響が大きい」(三村明夫・日本商工会議所会頭)。安倍晋三首相はトランプ氏との「蜜月ぶり」をアピールしてきたが、米国との貿易摩擦は激化の一途だ。

 東京株式市場では5月24日、トヨタ自動車が一時、245円安の7190円に急落した。ほかの自動車メーカーも、ホンダ(終値は124円安の3531円)、スズキ(117円安の6248円)、SUBARU(89円安の3494円)、マツダ(77円安の1399.5円)と軒並み下げた。

 自動車製品メーカーのデンソー(214円安の5534円)、アイシン精機(290円安の5670円)にも波及した。ファナックは535円安の23665円、キーエンスは1100円安の67290円、SMCは1250円安の43080円と、輸出関連の値がさ株も急落した。
(文=編集部)

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