絶賛を集める『グッド・ドクター』に違和感…フジテレビの戦略勝ちか

Business Journal / 2018年8月17日 19時0分

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 まさに、評判も数字も右肩上がり。『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が好調だ。視聴率は11.5%、10.6%、11.6%、10.6%、12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と第5話にして自己最高を更新。ネットメディアによる関連記事や視聴者のクチコミも、回を追うごとに称賛の声が増えている。

 2015年以降、同作が放送されている『木曜劇場』は視聴率1ケタに落ち込み、昨年から今年にかけては6%台にまで沈んでいる。ドラマ枠の打ち切りや移動の噂が出るほど苦しんでいただけに、私のところにも関係者の喜びが伝わってきた。

 しかし、『グッド・ドクター』については、どうにも引っかかるものがある。実際、あるドラマプロデューサーとメディア編集長の3人で話していたとき、意見がそろったのだ。「おもしろい」「質が高い」というより「策がハマった」のではないかと……。

●感動スイッチから逆算してつくる、わかりやすさ

『グッド・ドクター』の好調は、設定のわかりやすさによるところが大きい。コミュニケーションに障害がありながらも純粋な心を持つサヴァン症候群の主人公・新堂湊(山崎賢人)。幼くかわいらしい子どもの命を救う物語。その両者を追い込むために暗躍する、猪口隆之介(板尾創路)や間宮啓介(戸次重幸)らの悪役たち。パッと見ただけで人物相関図がわかる上に、子どもの命を扱う医療ドラマであるため、感情移入しやすいのだ。

 ただ、「障害や特殊能力がある主人公」「子どもの命を救う物語」の2点は、ドラマ業界では「あざとすぎて禁じ手に近い」と言われるもの。事実、『グッド・ドクター』の原作は韓国ドラマであり、そのわかりやすさは、いかにも“らしい”ものといえる。視聴者の“感動スイッチ”を入れることから逆算してつくるような韓国ドラマのテイストが好きな人にとって、『グッド・ドクター』はこれ以上ない作品だろう。

 しかし、多くのドラマを見ているフリークほど、「『感動させよう』というムードが強すぎてハマれない」という声を聞く。たとえば私のまわりでも、他局のドラマ関係者、各メディアの編集者、ドラマのコラムニストたちは「次の展開がだいたい読める」「あざとすぎて気持ちが入らない」と話すなど、その評判は芳しくない。

 ただ、仕事疲れのたまりがちな木曜夜は「難解でシビアな作品より、わかりやすくハートフルな作品のほうが見やすい」という視聴者が多いのも確かだ。視聴率を獲得しているのもリアルタイム視聴を選択する人が多いからであり、「できるだけ録画視聴させない」という同作の狙いは成功している。

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